レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第4戦 3号車 スーパー耐久レース in もてぎ
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マシン #3 ENDLESS GR86 参戦クラス ST-4クラス
Aドライバー/坂 裕之
Bドライバー/菅波 冬悟
Cドライバー/小河 諒
監督/花里 祐弥

開幕戦SUGOで優勝。第2戦富士24時間は3位、第3戦オートポリスは2位と安定して表彰台を獲得しているENDLESS GR86。しかしながらシリーズランキングではトップと10.5ポイントの3位と、追いかける立場に位置する。シリーズ折り返しとなる今回のもてぎラウンドにおいて、トップとの差を縮めておきたい。

今回は監督の中村が不在のため、#13 ENDLESS GR ヤリスのAドライバーである花里祐弥が監督代行兼アドバイザーとして参加。ST-2クラスの開催がないレースのため、今回はドライバーではなく裏方としてチームに加わることとなった。アドバイザーとして花里はMBR(メイクバンプラバー)のセッティングを含めマシンのセットアップに励んだ。

これまでの結果から#3 ENDLESS SPORTSのウエイトハンデは45kg。シリーズランキングトップの#884 シェイドレーシング GR86が同じく45kg、2位の#41 エアバスターWINMAX GR86 EXEDYが40kgのウエイトハンデと、上位3チームはほとんど同条件で競うこととなった。
予選
A 坂 裕之 2’12.429 クラス2番手

B 菅波 冬悟 2’11.311 クラス4番手

C 小河 諒 2’14.566 クラス4番手

→予選結果:2位/7台中

今回は9月7日(土)に全クラスの予選と5時間の決勝レースが行われる変則日程で開催。そのため午前8時00分からAドライバー予選が開始となった。Aドライバー坂 裕之はGR86勢ではトップ、クラス2番手タイムをマーク。Bドライバー菅波冬悟は2分11秒台をマークしてクラス4番手。Cドライバー小河は決勝用タイヤの皮むきと、セッティング確認を行って順調に走行。A・Bドライバーの合算タイムにより、決勝はクラス2番手からスタートすることとなった。
決勝
決勝結果:クラス優勝

残暑厳しいモビリティリゾートもてぎは気温34℃の非常に暑いコンディション。午前中の予選終了から間も無い12時34分、5時間の耐久レースがスタートした。

スタートドライバーは菅波。序盤にトップに立ち、後続との差を広げる作戦だ。目論見通り2番手からスタートした菅波は、1周目の第3コーナーでトップに立つことに成功。2位の#66 odula TONE MOTUL ROADSTER RFをジリジリと引き離しつつ走行して、Aドライバー坂にチェンジ。

坂は安定したペースでAドライバーの最低乗車時間を消化していく。タイヤが摩耗してきた走行スティント後半においても、サスペンションセッティングを煮詰めた効果から好タイムを刻む。

スタートから2時間36分、残り時間半分を過ぎたタイミングで坂がピットイン。小河にドライバーチェンジを行い、実質トップでコースに復帰する。小河は前戦までとセッティングが異なるマシンながら、安定したタイムで周回を重ねていく。ここまでドライバー、ピット作業ともにノーミスで想定通りのレースを展開。

残り1時間のタイミングで最後のピットストップ。小河は2位に約20秒のマージンを築いて約1時間半の走行を終えた。最終スティントは再び菅波へ。2位へと上がってきた#884もエースドライバーを投入する可能性が高く、残り約1時間のタイミングでエース同士の速さがぶつかる勝負になると思われた。

しかしながら残り時間50分で、ホームストレートで停止車両が発生。2位の#884はこのタイミングでピットインを行うが給油を1本のみとする作戦を敢行。一方#3は最終ピットインで3本の給油を行っており大幅にピットタイムを削減。(※)加えて#884はタイヤ無交換作戦を取ったことで、#3の約25秒前にコース復帰となった。ガソリン量の少なさとタイヤの消耗を#884がマネージメントで乗り切るか、#3がペースの良さで追いつくか、最終盤での優勝争いとなった。

(※本レースにおいて1本(20L)給油のみの場合はすぐにピットアウトできるが、複数本の給油(20L以上)の場合はピットインからコース復帰までの時間が最低140秒となるよう定められていた。)

#3はペース良く追い上げ1周1.5~2.0秒追い上げて行く展開となり、残り時間10分でトップまで約6秒まで迫る。しかし計算上はギリギリ追いつくはずだが、追い抜けるかどうかは分からない。またFCY宣言などの場合には追い付くことが困難となってしまう。

残り8分で差は4.1秒。菅波はコース脇グラベルの土埃を上げるほどコース幅をいっぱいに使いフルプッシュ。2分14秒台のハイペースで追い上げていく。残り5分で差は2.1秒。背後まで迫ると残り2分でトップ#884に追いつく。そして、バックストレート立ち上がりでオーバーテイクに成功。そのままチェッカーを受け、見事もてぎ5時間耐久レースを勝利で飾った。

Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバー・監督コメント
●Aドライバー 坂 裕之

今回予選では良いペースでした。決勝ではコンスタントラップは悪くないとチームより評価をもらいましたが、他のクルマと絡んだときなどにペースが乱れてしまう部分がありました。今回のレースで自分だけがマージンを縮める結果になってしまい、小河選手、菅波選手に負担を与えてしまったと思うので、今後の課題としていきたいです。とはいえ、今回本当に勝ててよかったです。ありがとうございました。

●Bドライバー 菅波 冬悟

今回はクルマのセットアップが進み良いタイムで走ることが出来ました。やや難しい部分もありますが、タイムの出る仕様にすることができました。本来であればAドライバーの坂選手にもっと習熟する時間を取りたかったですが、そこが短くなり申し訳ない部分がありました。ですが、坂選手はすごく頑張ってくれて、小河選手もしっかりマージンをつくってくれたからこそ、自分の2回目のスティントで逆転することができました。

あと2戦チャンピオンに向けて、もうワンランク上のレベルでクルマを仕上げて、勝ちにいきたいと思います。
●Cドライバー 小河 諒

いつもは2台体制のエンドレスですが、今回はGRヤリスのクラスがお休みのため、ドライバーの花里祐弥選手とエンジニアの荒重憲さんにこちらのチームに合流してもらいました。特にMBRについて花里選手の理解度が深く、一気にGR86に合わせこむことが出来ました。そのお陰で速さを得られましたし、レース後半の熱ダレ問題も対策によって解消できました。坂選手、菅波選手と3人で作ったレースで自分としては今シーズン初優勝することができて本当に良かったです。ありがとうございました。

●監督代行 花里祐弥

普段は#13 ENDLESS GRヤリスのドライバーとしてチームに参加していて、今回は変則的にGR86の監督をさせていただきました。いつものドライバー目線とは変わって、レースを深く広く見ることが出来ました。中村監督の組み立てたプランが噛み合い、優勝出来たことは本当に嬉しく思います。

そのなかで、開発中のMBRに関して良い部分もありますが、扱いにくい部分もあり、それをどう使えばよくなるのか再認識して美味しい部分をどう引き出せば良いのか理解が深まりました。

また、自社のブレーキやサスペンションなどさまざまな商品がレースの勝利につながったのは嬉しく思います。これからもレースで開発したブレーキやサスペンション、MBRなどがお客様の満足の行く商品になるように精進して行きます。ドライバーもチームもミスなく戦ってくれたからこそ勝つことができました。本当にありがとうございました。