レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2024 NAPAC富士SUPER TEC24時間レース 3号車
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マシン #3 ENDLESS GR86 参戦クラス ST-4クラス
Aドライバー/坂 裕之
Bドライバー/菅波 冬悟
Cドライバー/伊東 黎明
Dドライバー/池島 実紅
監督 / 中村 稔弘

<#3 ENDLESS GR86> 開幕戦SUGOでは見事優勝。シリーズランキングトップで富士24時間耐久レースを迎える。昨年の富士24時間はミッションなどのトラブルに見舞われる苦しいレースとなり、クラス5位と悔しい結果となった。今年はノートラブルで走りきり優勝を目指す。

マシン側では、開幕戦からサスペンションに新製品のMBR(メイクバンプラバー)を投入。速さとタイヤへの負担減を実現し、安定したペースで優勝を狙う。

また今回の富士24時間レースでは、スポット参戦で女性ドライバーの池島選手を起用。GR86/BRZ Cupにも出場していることからGR86への造詣が深いドライバーだ。加えて女性ドライバーからの視点で製品の評価をしてもらうことも大きな狙いとなる。
予選
A 坂 裕之 1’58.822 クラス4番手

B 菅波 冬悟 1’57.635 クラス3番手

C 小河 諒 2’00.420 クラス6番手

D 池島 実紅 2’01.603 クラス3番手

→予選結果:4位/7台中

5月24日(金)12時から予選が行われた。今回は昨年と同様のA・Bドライバーの合算タイムによって予選順位が決められる。Aドライバー坂は4番手、Bドライバー菅波は3番手タイムとなり、合算タイムでは4位となった。開幕戦はスケジュール都合により参戦できず今シーズン初走行となるCドライバー小河、スポット参戦のDドライバー池島は、それぞれ予選走行においてクルマへの習熟を深め決勝に備えた。
決勝
決勝結果:クラス3位

決勝は15時00分スタート。スタートドライバーは菅波。陽が差してやや暑い中24時間耐久レースが始まった。開始直後に菅波は2台をパスして2位に浮上。順調に周回を重ねていく。

約90分のスティントを走行して44周目に最初のピットイン。菅波から坂に交代。タイヤ4本を交換してコースに復帰する。

その後順調に周回を重ねて行く。6時間経過時点で再びクラス2位まで浮上。このまま予定通りに走って表彰台を目指したい。

スタートから8時間が経過した23時過ぎ、小雨が降り始める。レインタイヤに交換するチームもある中、ENDLESSは「雨は継続して降らない」と判断。そのため23時50分すぎにピットインした際もスリックタイヤに交換。ドライバーは菅波から小河に交代。不安定な路面状況のためクラス2位を維持すべく丁寧に周回していく。

しかし深夜1時30分が過ぎても雨は降り続き、スリックタイヤには厳しい路面コンディションとなる。ここでチームはピットインを選択。ドライバーは小河のまま、給油とレインタイヤへの交換を行いコースに復帰。ただコース上では深夜2時前にST-4クラスのスリックタイヤ装着車がクラッシュしており、3号車はベストなタイミングでのレインタイヤ装着だったようだ。

まもなくレース開始から12時間を迎える深夜2時50分、ドライバーを小河から菅波に交代。レインタイヤも新品に交換してコースへ復帰。

午前4時35分。空は明るくなってきたタイミングで雨脚も弱まる。菅波から小河に交代のタイミングでスリックタイヤに交換。2位からトップの#884 シェイドレーシングGR86を追い上げていく。

残り約6時間となった午前9時前、坂選手からこのレース初走行となる女性ドライバーの池島に交代。トップに食らいついて逆転を狙いたい。

このタイミングで#3はまだ義務であるメンテナンスタイム10分間を消化しておらず表記上は2位。ただ今回は午前11時までにメンテナンスタイムの消化が義務つけられている。とくに車両に問題のなかったGR86は、ギリギリまでそのメンテナンスタイムの消化を遅らせて走行。11時直前にメンテナンスタイムに入るが、ブレーキパッドの残量を確認したところ問題ないと判断しパッドやローターの交換を見送り。2022年の富士24時間にてENDLESS AMG GT4(ST-Qクラス)を走行させて以来の、ブレーキパーツ無交換での24時間完走を目指すこととなった。

メンテナンスタイムを消化した#3はクラス3位でコースに復帰。そこから優勝を目指してAドライバー坂が最低乗車義務時間を消化しつつフルプッシュで走行していく。12時20分に菅波に交代。出来る限りのハイペースでプッシュし続けた菅波から、残り時間約100分で小河に交代。フルサービスでタイヤ交換と給油を行い、3位からの浮上を目指す。

小河は懸命のアタックをするも2位の#41 エアバスターWINMAX GR86 EXEDYとのタイム差は縮まらずそのまま24時間が経過。クラス3位でのチェッカーとなった。惜しくも優勝は逃したもののノートラブルで走りきり3位に入ったことは、昨年の悔しい結果と今シーズンのシリーズランキングをふまえると、好成績と言える結果となった。

そしてブレーキパッド、ローターともに無交換での24時間レース完走は製品開発において大きな収穫となった。特に前回達成時は賞典外のST-Qクラスであったが、今回は優勝を狙うクラスでの達成である。上位を目指すなかでプッシュが避けられない状況での無交換であったことは記しておきたい。 Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバー・監督コメント
●Aドライバー 坂 裕之

今回は目標にしていたミスなく走り切ることが達成できその点は良かったです。ただチームメイトはアンダーステアな状態など様々なマシンセッティングでもきっちりタイムを出していましたが、自分はそこでタイムにバラつきができることがあり、そういった部分をもっと高めて今シーズン残りのレースを戦いたいと思います。今回はありがとうございました。

●Bドライバー 菅波 冬悟

開幕戦SUGOでは抜群の戦闘力でしたが、今回の富士ではペースが上がりませんでした。アンダーステア寄りのハンドリングバランスが改善できず、原因を解明出来ぬままレースが終わってしまったので、次戦に向けてしっかり原因を突き止めたいと思います。ブレーキの面ではパッドもローターも無交換で走り切ることができ、その性能については十分確認することができました。

●Cドライバー 小河 諒

GR86になって2年目の富士24時間レースで、昨年は多くのトラブルで完走できなかったですが、まずはしっかりと走り切れるクルマになったのは大きな進歩です。新たなブレーキローター、MBRというエンドレスの新パーツを投入して戦い、そこで結果が残せたのも良い点だったと思います。このレースだけでみると3位という結果は正直悔しいですが、この先を見据えて大きな進歩だったと思えるように今後も努力したいと思います。

●Dドライバー 池島 実紅

スーパー耐久自体はスポット参戦したことがありましたが、初めて富士24時間耐久に参加させていただきました。いろいろな体験ができて本当に勉強になりましたが、自分としてはまだ足りない部分を感じることもありました。今回はそういったこともあり、しっかりと走り込めるところまでいかなかったので、またしっかりと力をつけて参加させていただければと思います。ありがとうございました。

●監督 中村 稔弘

まずは昨年トラブルが多かったGR86がしっかりと24時間走れるクルマになったことが収穫です。ブレーキは今回パッドもローターも無交換で24時間走り切ることができました。これにより改めてブレーキ性能の高さを証明することができたかと思います。

レースにおいて今週末は速さを手に入れることができず、ドライバーには厳しい戦いをしてもらうことになってしまいました。なんとか作戦で前に行こうとメンテナンスタイムをセーフティカー導入に合わせて使おうと思いましたが、クリーンなレースだった今回はセーフティカーが入ることもなく、作戦面でのアドバンテージを得ることができませんでした。しかし、エンドレス製品の仕上がりが高まったことで、結果も出てきていると思います。その点について良かったと思います。