2023年もラリー競技の最高峰シリーズ「WRC」で躍進!
「TOYOTA GAZOOR Racing World Rally Team」および「Mスポーツ・フォードWorld Rally Teamへブレーキアイテムを供給!
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamが三冠を達成!「ラリージャパン」でも表彰台を独占

概要/Outline
国内外のレースシーンで活躍するENDLESSはラリーシーンでも活躍している。2005年および2007年のPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)でチャンピオンに輝いた新井敏弘など数多くのユーザーをサポートするほか、ラリー競技の最高峰シリーズ、WRC(世界ラリー選手権)でも三菱、プジョーなどの数多くのワークスチームをバックアップ。さらに2009年からはフォードのワークスチーム「フォード・ワールドラリーチーム」にオフィシャルサプライヤーとしてブレーキアイテムを供給している。

2012年を最後にフォードはワークス活動を休止したものの、ENDLESSは引き続き「Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム」(以下、Mスポーツ・フォードWRT)の活動をサポート。さらに2023年はMスポーツ・フォードWRTに加えて、トヨタのワークスチーム「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」(以下、TOYOTA GAZOO Racing WRT)にもオフィシャルサプライヤーとしてブレーキアイテムを供給しており、ふたつのチームがENDLESSのサポートチームとして活躍していた。

2023年も各ワークスチームがハイブリッドシステムを搭載した最新の“Rally1車両”を投入しており、トヨタ勢はENDLESSのブレーキローター&ブレーキパッドを採用した「TOYOTA GR YARIS Rally1 HYBRID」を投入。一方、Mスポーツ・フォードWRTの主力モデルはENDLESSのブレーキパッドを採用した「フォード・プーマRally1ハイブリッド」で激しいポジション争いを展開していた。

なかでも、素晴らしいパフォーマンスを見せたのが、TOYOTA GAZOO Racing WRTで、カッレ・ロバンペラが計3勝をマークし、ドライバーズ部門で2連覇を達成。もちろん、ロバンペラとコンビを組むヨンネ・ハルットゥネンが2年連続でコ・ドライバーズ・チャンピオンに輝いた。

また、エルフィン・エバンスが3勝をマークしたほか、スポット参戦のセバスチャン・オジエも計3勝をマーク。さらにワークノミネートのドライバーとしてオジエと3台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDをシェアしていた勝田貴元も第9戦のラリー・フィンランドで3位で表彰台を獲得するなど、トヨタ勢のドライバーが躍進したことは記憶に新しい。この結果、計8勝をマークしたTOYOTA GAZOO Racing WRTは最終戦を待たずして、マニュファクチャラーズ部門を制覇。TOYOTA GAZOO Racing WRTが3年連続で三冠を達成したのである。

一方、Mスポーツ・フォードWRTも素晴らしいパフォーマンスを発揮している。2023年より同チームへ加入したオイット・タナックが計2勝をマークしたほか、ピエール-ルイ・ルーベが計5回の入賞を果たすなど安定した走りを披露。

このように2023年のWRCでもENDLESSがサポートするTOYOTA GAZOO Racing WRTおよびMスポート・フォードWRTが活躍。その勢いは最終戦として11月16日~19日、愛知県および岐阜県を舞台に開催された第13戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」でも健在で、日本ラウンドで素晴らしいパオーマンスを発揮、ENDLESSのブレーキアイテムのクオリティを証明した。
ラリー・ジャパンについて/About Rally Japan


WRCの日本ラウンドとして2004年に初開催。当時のホストタウンは北海道帯広市で、山岳エリアのグラベルを舞台にラリーが開催された。以来、ラリー・ジャパンはアジア唯一のWRCとして定着。2008年は北海道札幌市へ舞台を移して近隣の山岳グラベルでラリーを開催するなどリニューアルが実施されたほか、2010年には再び北海道札幌市を舞台に開催されており、語り継がれる名勝負が展開されていた。

残念ながら2010年を最後に日本でWRCが開催されることはなかったが、その日本ラウンドのラリー・ジャパンが2022年、12年ぶりに復活した。しかも、舞台は愛知県・岐阜県のターマックで、愛知県の豊田スタジアムを拠点にまったく新しいフォーマットでラリーが開催されることになったのである。

中部エリアを舞台とする新生ラリー・ジャパンの特徴が、日本特有のワイディングを主体にSSが設定されていることで、クライムヒル、ダウンヒルともに中低速コーナーが連続。道幅が狭く、エスケープがないことも日本の林道の特徴で、路面のグリップが低いこともポイントだ。

加えてラリー・ジャパンでは20kmを超えるロングステージが多く、ダウンヒルでは常にブレーキに負荷が掛かっていることも特徴と言っていい。ハイブリッドシステムを搭載した最新のRally1車両はブレーキにエネルギーの回生システムが採用されているものの、それでもラリー・ジャパンではブレーキアイテムにも高い制動力とロングステージでの安定性が求められているのである。

ちなみに2022年の大会ではヒュンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービルが優勝したほか、チームメイトのタナックが2位につけたことでヒュンデ勢が1-2フィニッシュを達成。

これに対して母国イベントでの凱旋勝利を目指していたTOYOTA GAZOO Racing WRTはワークス勢が総崩れとなり、セカンドチーム「TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーション」でGR YARIS Rally1 HIBRIDのステアリングを握っていた日本人ドライバーの勝田貴元が3位に入賞、ホームイベントで表彰台を獲得した。

2023年のラリー・ジャパン/Feature of Rally Japan 2023


2023年のWRCもついに最終戦を迎え、11月16日~19日、愛知県・岐阜県を舞台に第13戦「フォーラムエイト・ラリージャパンが開催。昨年に引き続き、愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に日本ラウンドが開催された。

この日本決戦で母国凱旋を果たすべく、ENDLESSがオフィシャルサプライヤーとしてブレーキローターおよびブレーキパッドを供給するTOYOTA GAZOO Racing WRTは2連覇を決めているカッレ・ロバンペラを筆頭に、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジエ、そして、日本人ドライバーの勝田貴元と計4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDを投入。

一方、同じくENDLESSのサポートチーム、Mスポーツ・フォードWRTは2台体制とやや寂しい状態となったが、それでも2勝を挙げているオイット・タナックに加えて、若手の成長株、エイドリアン・フルモーを起用するなど抜群のスキルを持つドライバーに最新モデル、プーマRally1ハイブリッドを託していた。

これに加えてスバル・ラリーチーム・アライの新井敏弘がスバルWRX S4を武器に国内部門のJRカー部門に参戦したほか、TOYOTA GAZOO Racing WRJでGR YARIS JP4-Rally2を駆る勝田範彦、GR YARIS GR4ラリーDATを駆る眞貝知志もJRカー部門に参戦するなど、ENDLESSは全日本ラリー選手権のJN1クラス活躍していたドライバーおよびチームをサポート。さらにシュコダ・ファビアR5 Evo2で全日本ラリー選手権のJN1クラスに参戦していた福永修もENDLESSユーザーのひとりで、ラリー・ジャパンにはWRC2クラスにチャレンジしていた。

こうして豪華メンバーが集結したラリー・ジャパンは11月16日、豊田スタジアムのセレモニアルスタートを経て同日の夕刻、豊田スタジアムに設けられたデュアルスタート形式のスーパーSS、SS1「豊田スタジアム」で幕を開けた。この注目のオープニングステージで素晴らしい立ち上がりを見せたのが、ヒュンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービルで、同SSでベストタイムをマーク。さらに、チームメイトのエサペッカ・ラッピが2番手につけるなどヒュンデ勢がデイ1で1-2フィニッシュを達成した。

これに対してTOYOTA GAZOO Racing WRTで最上位につけたのは勝田貴元で同SSを5番手でフィニッシュ。一方、Mスポーツ・フォードWRTの最上位はオイット・タナックの3番手となるものの、17日のデイ2で本格的な競技が始まると脱落者が続出するサバイバルラリーが展開されることとなった。

17日のデイ2は朝から激しい雨に見舞われ、完全なウエット状態のなかでラリーが開催。その結果、この日のオープニングステージとなるSS2「伊勢神トンネルSS」で数多くのエントラントが脱落することとなった。まず、TOYOTA GAZOO Racing WRTで18号車を駆る勝田貴元がコースアウトを喫し、フロントセクションを破損するとヒュンデ・シェル・モビスWRTで6号車を駆るダニ・ソルド、Mスポーツ・フォードWRTで16号車を駆るエイドリアン・フルモーも同SSでコースアウト。さらにSS5「伊勢神トンネルSS」ではトヨタのセバスチャン・オジエがマシンをガードレールにヒットさせたほか、ヒュンデのティエリー・ヌービルも足回りを破損するなど、ハプニングが続出した。まさに波乱含みの幕開けとなるなか、トヨタのエルフィン・エバンスがデイ2をトップでフィニッシュしたほか、オジエが2番手、カッレ・ロバンペラが3番手で競技2日目を走破。4番手~6番手はWRC2のエントラントで、ヒュンデのラッピが7番手、Mスポーツのタナックが8番手、そして、SS2でコースアウトを喫しながらも、3回連続でSSウインを獲得するなどセカンドループで猛追を披露した勝田貴元が総合9番手でデイ2をフィニッシュした。

18日のデイ3は雨こそ止んだものの、ステージにはドライのほか、ウエットも残る難しいコンディション。さらにセカンドループでは山間部で雪が降り始めるなど、路面が目まぐるしく変わるなかでタイム争いが実施されていた。

そのなかで安定した走りを披露したのがエバンスで首位をキープ。チームメイトのオジエが2番手、ロバンペラが3番手でデイ3をフィニッシュした。4番手はラッピ、5番手はタナックで、計5回のSSウインを獲得した勝田が6番手でまで浮上。

そして19日のデイ4は好天のなかでラリーが開催された。ここでも首位のエバンスはクレバーな走りでポジションをキープし、エバンスが今季3勝目を獲得した。さらにオジエが2位、ロバンペラが3位入賞を果たしたことでトヨタ勢が表彰台を独占、1-2-3フィニッシュで母国ラリー初制覇を飾った。

4位に入賞したのはラップで、最終日にも2回のSSウインを獲得した勝田が5位に入賞。SS2のコースアウトでトップ争いから脱落したものの、計10回のSSウインを獲得したことで自身の速さを証明した。

そのほか、Mスポーツのタナックが6位入賞を果たすなど、数多くのENDLESSユーザーが過酷な日本ラウンドで上位入賞を果たした。

以上、WRCのワークスドライバーの動向を中心にレポートしてきたが、そのほかのクラスでも激しいサバイバルラリーが展開されていた。

まず、16日のSS1「豊田スタジアムSS」で、TOYOTA GAZOO Racing WRJ の眞貝知志がジャンプの着地でマシンを破損させてデイリタイアを強いられたほか、17日のデイ2では総合11番手でJRカー部門の首位につけていたTOYOTA GAZOO Racing WRJ の勝田範彦もSS8「豊田スタジアムSS」でマシンを破損させてしまい、そのままリタイア。さらに総合13番手でJRカー部門の首位に浮上したスバル・ラリーチーム・アライの新井敏弘も18日のデイ3でオルタネーターのトラブルが発生し、この日のオープニングステージ、SS9「額田の森SS」でマシンを止めたほか、再出走を果たした19日のデイ4でもSS17「旭高原SS」でクラストップタイムをマークしながらも続くSS18「恵那市SS」でマシンを岩にヒットさせてしまいリタイアするなど苦戦を強いられていた。

まさに混戦模様となるなか、デイ2で再出走を果たした眞貝が安定した走りを披露。JRカー部門で勝利を獲得した。

さらにシュコダ・ファビアR5 Evo2でWRC2クラスに参戦した福永も総合11位、クラス4位で完走。このようにサポートチームのドライバーが各クラスで躍進したことで、ENDLESSは改めてブレーキアイテムのパフォーマンスを証明した。