SUPER耐久 2019 レースレポート
第2戦 3号車 スポーツランドSUGO
[予選/4月27日(土)] 3号車 1位
Aドライバー/内田優大……………2位 AM 10:54〜 10分間 ウェット
Bドライバー/山内英輝……………1位 AM 11:29〜 10分間 ウェット
Cドライバー/高橋 翼……………1位 PM 12:05〜 20分間 ドライ
予選レポート
平成最後のレースとなるスーパー耐久の第2戦。舞台はスポーツランドSUGO。今季2回目の夏日となった木曜日。しかし金曜、土曜日は東北、北海道の山沿いに雪が降るほど冷え込んだ。

SUGOの外気温度は7〜8℃。さすがに雪が降るようなことはなかったが、冷たい雨が落ちてくる中でGr.2の予選は始まった。

当チームのメルセデスが走るGr.1の予選が始まるころには、雨もあがり、天候は回復。ただ、Aドライバーがコースに入った時点の路面は完全ウェット。実際、どのマシンもウェットタイヤを装着。当チームの内田もウェットタイヤを履いてコースイン。路面状況などをチェックし、タイヤが温まったところでアタック。1分41秒台をマークしてクラストップに躍り出るが、後方を走るライバルのKTMは40秒台にのせてくる。

ラップを重ねていくごとにレコードラインが乾きだし、5ラップ目には40秒台を切る。ガマン比べの予選となった。最終的に内田は1分38秒853にまで詰めたが、ライバルのKTMは37秒台。僅差でトップには届かなかった。

Bドライバーの山内は「ここまでラインが乾いているならドライタイヤでいける」と勝負に出る。ドライタイヤでコースインした山内は、タイヤをしっかりと温める。内田の時同様、ラップを重ねるごとに路面の渇く範囲が広がり、6ラップ目には29秒台をマーク。さらに8ラップ目には28秒台にのせる。その直後にST-3クラスのマシンがコースアウト、赤旗が振られたため、山内はピットに戻ってくる。

最終的に山内はKTMよりも3秒ほど速く、総合結果でも1秒7の差をつけて、当チームのメルセデスはポールポジションを獲得。また、昨シーズンにマークされた1分37秒台のコースレコードを8秒以上縮めるタイムで山内が更新。最高のスタートを切ることができた。

[決勝/4月28日(日)] 3号車 優勝
PM 1:18 スタート 3時間レース(PM 4:18チェッカー) ドライコンディション

決勝レポート
前日の予選日は外気温度が10℃を切るほどだったが、決勝が行われる日曜日は、春らしい暖かな日差しが降り注いでいた。外気温度16℃、路面温度30度と絶好のレース日和となった。

ここまですべてが順調にきている当チームだが、決勝レースは厳しい戦いになることが予想された。決勝レースは3時間。スーパー耐久の中では最も短く、スプリント要素の強いレースになるのは必至。もちろん、素行距離が少なくなってもピットストップの回数(ドライバー交代を含む2回以上のピットストップ)や各ドライバーが走れる(プラチナドライバーは40%以内、ジェントルマンドライバーは20%以上の走行)規定は変わらない。

スプリント要素が強く、コースレイアウトもKTM向き。さらに勝敗の行方を大きく左右するのがST-TCRのマシンたちだ。速さではメルセデスに軍配が上がるが、ST-TCRのコーナリング性能は侮れない。前に行かせてしまうと、パスするのに苦労する。

当チームにとって、最大の武器はドライバー3人の安定感だ。中でも内田の走りは安定している。この安定感は作戦を立てていくうえで圧倒的に有利だ。スーパー耐久の場合、S/CやFCYなどによるレースコントロールが多く、こういった時の作戦変更が行いやすい。

結果から先に言うと、今回はすべてがうまくいったレースだった。

スタートドライバーの山内は、ライバルKTMを後方に従えてのスタート。しっかりと加速するも、KTMの加速もいい。背後にピタッと付かれた状態でのオープニングラップ。しかし、2ラップ目にレースは大きく動く。KTMの後方にいたアウディ(ST-TCR)が当チームのメルセデスとKTMの間に入る。一度、前に出られてしまうとなかなか抜けない。この間に山内は逃げる。5ラップ目にはKTMとの差を10秒弱にまで広げていた。9ラップ目には20秒弱にまで広げるが、その直後にコース上に止まったマシンを排除するため、この日、最初のFCY。

解除されてからも山内のペースは落ちることなく逃げ、16ラップ目にはその差は30秒。最初にピットに入ったのはKTM。この時点でのリードは約75秒。当チームも内田にスイッチする準備が整う。その直後に2回目のFCY。山内の走っている位置は、決してピットレーン近くというポイントではなかったが、中間以降のポイントにいたため、最小限のロスでピットにまで戻ってくることができた。

タイヤ交換、給油などの作業を約54秒で終わらせ、内田をコースに送り出す。

44ラップ過ぎ、再スタート。この時点でKTMとの差は約145秒。1ラップ以上のマージンを稼ぎ出すことに成功。内田は1分30~31秒の安定したタイムでラップを重ねていく。53ラップ過ぎにはその差は153秒まで広げていた。59ラップ目、クラッシュしたマシンの撤去のため、S/Cが入りレースコントロール。この間にKTMは2回目のピットストップ。これでマージンは3ラップ。すでに内田が走らなければいけない20%はクリアしている。マージンもあるため、当初、予定していたラップでのピットストップでも問題なかった。

とはいえ、このスーパー耐久は、いつどこで何が起こるかわからない。勝てるときは勝ちにこだわる。ほんのちょっとした油断が運を逃すことだってある。

もう少し、S/Cが抜けるのには時間がかかりそうなため、このタイミングで当チームも2回目のピットストップを行う。内田から高橋 翼にスイッチ。タイヤ交換、給油を済ませてコースに戻る。チェッカーまで1時間強となった65ラップ過ぎ、レース再開。高橋も1分30秒台の安定したラップタイムでラップを重ねていく。

77ラップ過ぎ、ST-2クラスのマシンが最終コーナーでクラッシュ。再び、S/Cが20分近く、レースをコントロール。レース再開後も高橋はペースを崩すことなく走り切り、当チームは開幕2連勝を果たすことに成功した。

今回のレースではFCYやS/C などの入るタイミングがすべて当チームに有利に働く結果となった。もし、これが逆のパターンだったら勝てたとしても僅差だったかもしれないし、ひょっとしたら負けていたかもしれない。次戦の富士ラウンドは24時間。自分たちのペースを崩さず、かつレースの流れにしっかりと乗り、完走を目指す。そこで生まれる優勝。昨シーズンの悔しさを今シーズンは感動で終わらせるべく、富士に乗り込むので応援よろしくお願いします。
ギャラリー
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