ニュルブルクリンク24時間レースレポート
46台のENDLESSユーザーが過酷な24時間レースに参戦! Kondo Racingの日産GT-R NISMO GT3が総合10位で完走
STIのスバルWRX STIがSP3Tクラスで2連覇達成。合計7クラスで勝利を獲得
概要/Outline
 2019年のニュルブルクリンク24時間レース(以下、ニュル24時間)が6月20日(木)~23日(日)、ドイツ南西部のサーキット、ニュルブルクリンクを舞台に開催。国内外のモータースポーツで活躍するENDLESSも数多くのチームにブレーキアイテムを供給しており、160台のエントリーのうち、合計46台のユーザーが過酷な24時間レースにチャレンジした。

 残念ながら2台のBMW M6 GT3で総合優勝を狙っていたBMWの有力チーム「ローヴェ・レーシング」は2台ともにリタイアに終わったが、日本の名門チーム「Kondo Racing」の日産GT-R NISMO GT3が総合10位、SP9クラスの9位で完走。さらにスバルのワークスチーム「STI」がスバルWRX STIを武器にSP3Tクラスで2連覇を達成した。

 終わってみれば7つのクラスで勝利を獲得するなど、2019年も数多くのENDLESSユーザーがサバイバルレースで躍進した。
ニュルブルクリンク24時間レースの特徴/About Nurburgring 24 Hours Race
 ドイツの最大都市、フランクフルトから北西に位置する山岳サーキット、ニュルブルクリンクを舞台にした24時間の耐久レースで、1970年にドイツの自動車連盟、ADACが主催するローカルイベントしてスタート。当初は草レースとして人気を集めていたが、1990年代に入ると世界各国の自動車メーカーやタイヤメーカー、パーツメーカーが参入するようになり、ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースに次ぐ人気の国際レースへ発展した。

 舞台となるニュルブルクリンクは1927年に建設されたサーキットで、ニュル24時間は約20kmの北コースと約5kmのグランプリコースを組み合わせた約25kmのロングコースで開催されている。とくにノルドシュライフェと呼ばれる北コースは170以上のコーナーを有するほか、高低差も300mmと激しいアップダウンを持つ過酷なサーキットで、エスケープゾーンが狭く、路面もバンピー。しかも、気まぐれな天候の影響により、路面コンディションが不安定となっていることから、コースの東側がウェット、西側がドライ……といったことも珍しくはない。そのため、ニュル24時間では常に脱落者が続出するサバイバルレースが展開されているのだが、同レースにおいてもENDLESSは豊富な実績を持つ。

 これまでENDLESSはポルシェ911を投入する地元の有力チーム、マンタイレーシングをサポートしており、常にトップ争いを展開してきた。同コースの最高スピードはクルマによって300km/hに達するほか、前述のとおり、コーナー数もアップダウンも多いことからブレーキにとっては過酷なシチュエーションとなっているものの、マンタイレーシングはENDLESSのブレーキパッドを武器に抜群のパフォーマンスを披露。スピードはもちろんのこと、ブレーキ無交換を含めた優れたレースマネジメントで、これまでENDLESSをパートナーに計4度の勝利を獲得している。さらに2012年および2014年の大会では同じくENDLESSがサポートするアウディのカスタマーチーム、フェニックスレーシングのR8が勝利を獲得するなどニュル24時間でも躍進。その実績は高く評価されており、2019年も数多くのチームがENDLESSのブレーキパッドやローターを採用している。
レースレポート/Race Report
 世界一の草レースの愛称を持つニュル24時間が6月20日~23日に開催。2019年の大会には世界各国から160台のマシンが集結しており、46台のENDLESSユーザーがグリーンヘル=緑の地獄を舞台に過酷な24時間レースにチャレンジした。

 そのなかで最も素晴らしい活躍を見せたのが、日本からニュル24時間レースに初挑戦した「Kondo Racing」だった。ENDLESSのブレーキパッドを採用した同チームの45号車、日産GT-R NISMO GT3は20日(木)、雨に祟られた練習走行で8番手タイムをマーク。しかし、同日夕方、ウェットからドライへと路面コンディションが変化した1回目の予選では30番手にとどまるほか、21日(金)に行われた2回目の予選でもタイムが伸び悩んだことから、予選の統合リザルトは27番手に沈んだ。さらに決勝の上位グリッドを決する同日のトップ予選でもKondo Racingの日産GT-R NISMO GT3は25番手にとどまるものの、22日(土)の15時30分に幕を開けた決勝で素晴らしい走りを披露していた。

 真夏のようなコンディションとなったことから、序盤から数多くのマシンが脱落するなか、Kondo Racingの日産GT-R NISMO GT3は安定した走りを披露。ナイトセッションを迎え、12時間を経過した頃には16番手まで浮上する。その後もKondo Racingの日産GT-R NISMO GT3はノーミス&ノートラブルで周回を重ね、23日(日)の15時30分、154周を終えたところでチェッカー。その結果、日本車勢の最上位となる総合10位、SP9クラスの9位で完走を果たした。

 また、ドイツのチームとコラボレーションすることで、ニュル24時間レースへの初挑戦を果たした日本チーム「Bandoh Racing with Novel Racing」もENDLESSのサポートチームで、19号車のレクサスRC F GT3にENDLESS製のローターおよびバッドを採用した。1回目の予選と2回目の予選を統合した結果、Bandoh Racing with Novel RacingのレクサスRC F GT3は総合23番手につけたものの、残念ながらトップ予選への進出は果たせずに予選の最終リザルトは総合32番手でフィニッシュ。決勝でも同チームの19号車はピットレーンで他車と接触しサイドレールとマフラーを破損したほか、燃料がスムーズに入らないトラブルに祟られながらもスタートから12時間には19番手まで浮上していたのだが、残念ながら音量規制によりマフラー交換を強いられたほか、燃料タンクのメンテナンスを実施したことで2時間のタイムロス。それでもBandoh Racing with Novel RacingのレクサスRC F GT3は最後まで粘り強い走りを披露し、総合42位、SP9クラスの19位で完走を果たした。

 そのほか、総合優勝を獲得すべく、2台のBMW M6 GT3を投入したBMWの有力チーム、ローヴェ・レーシングもENDLESSユーザーとして抜群のスピードを披露。同マシンには標準品としてENDLESSのブレーキローターが採用されていることから、今大会にもENDLESSのブレーキディスクを装着した6台のBMW M6 GT3が参戦していたが、同チームの98号車および99号車にはENDLESSのブレーキパッドが採用しており、20日(木)のフリー走行から99号車がトップタイム、98号車が3番手タイムをマークするなど順調な立ち上がりを見せていた。

 同日の1回目の予選でも98号車が5番手、99号車が7番手につけたものの、21日(金)の2回目の予選およびトップ予選では99号車が20番手、98号車が21番手に失速。決勝では素晴らしいスピードでポジションを上げたながらも、それぞれクラッシュを喫し、残念ながらリタイアに終わることとなったが、持ち前のスプリント能力を披露した。

 一方、混戦のSP3Tクラスに目を向けるとスバルのワークスチーム「STI」がENDLESSのブレーキパッドを装着した88号車、スバルWRX STIで躍進。予選で同クラスの1位を獲得した決勝でもレース序盤に他車と接触するシーンが見られたものの、それ以外はノーミス&ノートラブルで周回を重ねていった。その結果、STIは過去最多の145周を記録し、総合19位、SP3Tクラスで2連覇を達成。通算6度目のクラス優勝を獲得した。

また、SP3クラスに2台のトヨタC-HRを投入した「Gazooレーシング・チームタイランド」もENDLESSのサポートチームで、フロントキャリパーを含めてENDLESSのブレーキシステムを採用。残念ながら119号車は未出走に終わったが、120号車が総合80位、SP3クラスで3位を獲得した。

昨年よりも参加台数が大幅に増えたGT4勢でも、Prosport Performance のアストンマーチン・ヴァンテージGT4をはじめ、BMW M4 GT4など多くの車両がENDLESS製品を使用していた。

 そのほか、TCRクラスに2台のヒュンダイi30N TCRを投入した「ヒュンダイ・モータースポーツ」もENDLESSのブレーキパッドを採用。171号車が総合45位、TCRクラスの2位で完走したほか、170号車が総合94位、TCRクラス3位に付けるなど2台揃って完走した。

 終わってみれば、この過酷な24時間レースでENDLESS勢は合計7クラスで1位を獲得。2019年の大会においてもENDLESSは、グリーンヘル=緑の地獄を舞台にした24時間レースでブレーキアイテムのパフォーマンスを証明した。
ギャラリー
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