ニュルブルクリンク24時間レースレポート
30台以上のENDLESSユーザーが過酷な24時間レースに参戦! スバルのワークスチーム、STIがWRX STIでSP3Tクラスを制覇
2018年も幅広い車種に対応!GT4およびTCRなど話題の国際規定モデルにパッドを供給
概要 / Outline
 2018年のニュルブルクリンク24時間レース(以下、ニュル24時間)が5月10日~13日、ドイツ南西部のサーキット、ニュルブルクリンクを舞台に開催。今大会は出走台数が147台と例年よりもエントリーが少ないものの、国内外のモータースポーツで活躍するENDLESSは数多くのチームをバックップ、30台以上のユーザーが過酷な24時間レースにチャレンジした。  

 残念ながら2台のM6 GT3で総合優勝を狙っていたBMWの有力チーム「ローヴェ・レーシング」は2台ともにリタイアに終わったが、スバルのワークスチーム「STI」がWRX STIを武器に混戦のSP3Tクラスを制覇。さらに今大会ではFIA-GT4車両やTCR車両をはじめとする話題の国際規定モデルの多くがENDLESSのブレーキアイテムを採用、各クラスで上位争いを展開するなど、2018年も数多くのENDLESSユーザーがサバイバルレースで躍進した。
ニュルブルクリンク24時間レースの特徴 / About Nurburgring 24 Hours Race
 ドイツの最大都市、フランクフルトから北西に位置する山岳サーキット、ニュルブルクリンクを舞台にした24時間の耐久レースで、1970年にドイツの自動車連盟、ADACが主催するローカルイベントしてスタート。当初は草レースとして人気を集めていたが、1990年代に入ると世界各国の自動車メーカーやタイヤメーカー、パーツメーカーが参入するようになり、ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースに次ぐ人気の国際レースへ発展した。  

 舞台となるニュルブルクリンクは1927年に建設されたサーキットで、ニュル24時間は約20kmの北コースと約5kmのグランプリコースを組み合わせた約25kmのロングコースで開催されている。とくにノルドシュライフェと呼ばれる北コースは170以上のコーナーを有するほか、高低差も300mmと激しいアップダウンを持つ過酷なサーキットで、エスケープゾーンが狭く、路面もバンピー。しかも、気まぐれな天候の影響により、路面コンディションが不安定となっていることから、コースの東側がウェット、西側がドライ……といったことも珍しくはない。そのため、ニュル24時間では常に脱落者が続出するサバイバルレースが展開されているのだが、同レースにおいてもENDLESSは豊富な実績を持つ。  

 これまでENDLESSはポルシェ911を投入する地元の有力チーム、マンタイレーシングをサポートしており、常にトップ争いを展開してきた。同コースの最高スピードはクルマによって300km/hに達するほか、前述のとおり、コーナー数もアップダウンも多いことからブレーキにとっては過酷なシチュエーションとなっているものの、マンタイレーシングはENDLESSのブレーキパッドを武器に抜群のパフォーマンスを披露。スピードはもちろんのこと、ブレーキ無交換を含めた優れたレースマネジメントで、これまでENDLESSをパートナーに計4度の勝利を獲得している。さらに2012年および2014年の大会では同じくENDLESSがサポートするアウディのカスタマーチーム、フェニックスレーシングのR8が勝利を獲得するなどニュル24時間でも躍進。その実績は高く評価されており、2018年も数多くのチームがENDLESSのブレーキパッドやローターを採用している。
レースレポート / Race Report
 世界一の草レースの愛称を持つニュル24時間が5月10日~13日に開催。エントリー台数が例年よりも少なくなったとはいえ、世界各国から147台が集結しており、今大会にも30台以上のENDLESSユーザーがグリーンヘル=緑の地獄を舞台にした過酷な24時間レースにチャレンジした。  

 そのなかで最も注目を集めていたのが、BMWの有力チーム、ローヴェ・レーシングだった。同チームは総合優勝を獲得すべく、ENDLESSのブレーキパッドを装着した2台のM6 GT3を投入しており、10日の午後に行われた練習走行では99号車が3位でフィニッシュ。さらに11日の午後に行われた予選2回目では98号車が2位につけるなど順調な立ち上がりを見せていた。もちろん、その勢いは11日の夕刻に行われたトップ30予選でも健在で、99号車が10位につけるほか、98号車が14位に続くなど2台のM6 GT3が上位グリッドを獲得。それだけに12日の15時30分に幕を開けた決勝でもローヴェ・レーシングの2台がトップ争いを左右するかに思われていたのだが、2台ともに予想外のハプニングに祟られることとなった。  

 まずレース序盤でトップ争い展開していた99号車だったが、17周目に他車と接触を喫し、ラジエータを破損。スタートからわずか2時間あまりでリタイアを喫した。さらにチームメイトの98号車も精力的にラップを重ねるものの、電気系のトラブルでマシンがストップ。82周を走り終えたところでリタイアすることになったのである。  
 このように総合優勝をターゲットに抜群の速さを見せていたローヴェ・レーシングの2台が戦列を去ることとなったが、SP3Tクラスではスバルのワークスチーム、STIがENDLESSのブレーキパッドを装着したWRX STIで素晴らしいパフォーマンスを披露していた。  

 練習走行および予選1回ともにクラストップタイムをマークしたSTIは予選2回目でパワーステアリング系統にオイルリークが発見。タイムアップを果たせなかったものの、それでも総合50位でSP3Tクラスのトップタイムを確保し、第3グループのポールポジションを獲得する。さらに決勝でもスタート直後から好タイムを連発していた。しかし、スタートから2時間後にパワーステアリングのオイル漏れが発生したほか、6時間後には排気音量の違反が指摘されたことから、予定外のピットインを行い、マフラー交換を実施。この結果、総合116位、SP3Tクラス2位まで後退することとなったのである。  

 まさにレース序盤の度重なるハプニングで大きく出遅れることとなったSTIだが、スタートから10時間後には総合85位まで挽回し、SP3Tクラスでトップを奪還した。さらにスタートから12時間後の13日の3時30分には雨が降り出したことが、STIにとって追走の追い風になったのだろう。AWDの本領を発揮したWRX STIは最高峰のSP9クラスのGT3マシンに匹敵するタイムを連発するなどハイスペースでラップを重ねていった。  この結果、STIはチェッカーまで残り4時間という段階で総合52位までジャンプアップしている。その後、レースは濃霧の影響によりスタートから21時間後、チェッカーまで残り3時間30分という段階になって赤旗で中断。さらに13日の13時45分にレースが再開されるものの、チェッカーまで残り1時間というタイミングでWRX STIにエンジントラブルが発生し、グランプリコースのショートカット入口でストップすることとなった。  それでもSTIのメカニックたちが素早い修復作業を実施した結果、WRX STIは15時15分にレースへ復帰する。そして2ラップを重ねてチェッカー。様々なトラブルに祟られながらも総合62位で完走を果たし、SP3Tクラスで5度目の勝利を獲得した。  

 そのほか、完走こそ果たせなかったものの、SP3クラスに2台のトヨタ・カローラ・アルティスを投入したトヨタGazoo Racingチーム・タイランドもENDLESSユーザーとして奮闘を見せるほか、FIA-GT4車両やTCR車両をはじめとする話題の国際規定モデルの多くもENDLESSのブレーキアイテムを採用し、各クラスで上位争いを展開。このように2018年も数多くのユーザーが過酷な24時間レースで活躍することによって改めてENDLESSのパフォーマンスを証明した。
ギャラリー
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