SUPER耐久 2018 レースレポート
開幕戦 3号車 鈴鹿サーキット
[予選/3月31日(土)] 3号車 2位
Aドライバー/YUKE TANIGUCHI…… 4位 PM 13:00~ 20分間 ドライ
Bドライバー/山内 英輝…………… 1位 PM 13:55~ 20分間 ドライ
Cドライバー/銘苅 翼…………… 3位 PM 3:58〜 ドライ2位 PM14:50~ 20分間 ドライ
予選レポート
スーパー耐久2018シーズンの開幕戦は、これまで恒例となっていた「ツインリンクもてぎ」から「鈴鹿サーキット」に舞台を移して行われた。そして、変わったのは開幕戦の舞台だけでなく、タイヤなどいろいろな面で様変わりしたスーパー耐久は新たな一歩を踏み出すことになった。
まず、シリーズ戦はこれまで同様全6戦だが第3戦に組まれた富士ラウンドは、十勝ラウンド以来の24時間レース。富士スピードウェイは日本屈指の高速サーキットだけに見所たっぷりだ。
その記念すべき24時間レースの勝敗を大きく左右するのがタイヤだ。昨シーズンまでのADVANタイヤから今シーズンはピレリのワンメイクに変わった。当チームにとっては初めて使うタイヤだ。いかにピレリのポテンシャルを引き出すセッティングを見つけられるかが、大きなポイントになってくる。
さらに、今シーズンから決勝レース中のレースコントロールが変わった。昨シーズンまでの赤旗によるレース中断は、セーフティカー(S/C)によるレースコントロールに加え、今シーズンからフルコースイエロー(FCY)というルールが新たに加えられた。
FCYとはコース内にマシンが止まり、S/Cがコースに入るほどではないという時に全ポストでFCYが提示され、コース全てが50km/h制限というルール。ちなみにST-Xのように250km/h以上も出ているマシンがいきなり50km/hにまで減速するのは危険なため10秒以内に減速というルールになっている。50km/h以下にまで落とされているかは、セクションごとに計測され、オーバーしていればペナルティが課せられる。これまでのS/C以上にFCY提示時の戦略(ピットストップなど)が勝敗の行方を大きく変えそうだ。
また、今シーズンからFIA GT3マシンが走るST-Xクラスは、ドライバーの細分化が図られた。
ジェントルマンドライバーはSTOが認めた35歳以上のアマチュアドライバーでAドライバー登録。
走行は決勝レース距離(時間)の3分の2以下で20%以上の走行。今回の開幕戦は5時間レースなので、最大に乗れる時間は3時間20分。最低でも60分以上乗らないといけない。
当チームのジェントルマンドライバーに当たるのが昨シーズンに引き続きYUKE TANIGUCHI。
プラチナドライバーはSTOが認めたプロドライバー。走行は決勝レース距離(時間)の40%以下。
今回の場合だと2時間までで山内英輝が当チームのエースドライバーとして今シーズンもチームを引っ張っていく。そして今シーズンから、ジェントルマン/プラチナドライバー以外をエキスパートドライバーとして称することになり
当チームは今シーズンから新たに銘苅 翼を起用。銘苅はカートからフォーミュラトヨタ、フォーミュラチャレンジジャパン、フォーミュラ3へとステップアップ。昨シーズン参戦したポルシェカップでは全7戦全てをポールトゥウインという圧巻の速さでチャンピオンに輝いている。
ルールの変更などもあり、新たなスタートを切る事となったスーパー耐久。
ST-Xには9台のマシンがエントリーしている。ここまでの公開練習も含めると、速さではGT—R勢が
一歩抜きに出ているようにも見えるが、タイヤの使い方、さらにはFCYなど運も大きく影響するのは必死で
どこが勝利を掴むかは予想できない。
土曜日の予選では2分02秒台を狙って、AドライバーのYUKE TANIGUCHIがタイムアタック。
2ラップ目には各セクターでライバル勢よりも速いタイムをマークするが、最終セクターで遅いマシンに引っかかり
タイムを伸ばすことができず、このセクションでトップに付けたポルシェより0.813秒遅れの4番手にとどまった。
Bドライバーの山内は、ピレリタイヤの美味しい部分を存分に引き出し、これまでのコースレコードを上回る
2分00秒680までタイムを詰め、このセクションのトップにつけることに成功。A+Bドライバーの合算タイムで
決められる最終予選結果では、24号車のGT-Rに0.265秒届かず2番手に終わるが、
決勝スタート最前列を獲得、開幕戦勝利に向けて最高の滑り出しを見せた。
[決勝/4月1日(日)] 3号車 9位
PM 12:20 スタート 5時間レース(PM 17:20チェッカー) ドライコンディション
決勝レポート
春らしい、穏やかな天候となった決勝当日。
昨シーズンの鈴鹿ラウンドよりも1時間長い5時間となった決勝レースは、12時16分過ぎセーフティーカーに誘導され、各車、グリッドから離れて行く。シケインから立ち上がってきたセーフティーカーが抜ける。スタートラインまでの走行権利を持つ24号車は、ギリギリまで超スローペースでコントロール。ラインまで一気に加速。
これにピタッと合わせた山内は遅れることなくスタートする。背後からサイドへとプレッシャーをかける山内。
オープニングラップは2番手。その直後にシケインでスピンしたマシンにより 1回目のFCYが提示される。
最終的にFCYはチェッカーが振られるまでに計6回提示されることになる。無理をすることなく山内は2分05秒台でのラップ。ラップ遅れのマシンなどに引っかかり、トップの24号車との差が5秒にまで広がることもあったが
1回目のピットストップの時には2秒台にまで詰まっていた。
33ラップ過ぎ、山内から銘苅にスイッチ。タイヤ交換給油を済ませコースに戻ったときには5番手にまで後退していたが、その2ラップ後にトップの24号車がピットストップ。当チームの後方約7秒のところでコースに戻る。99号車がまだピットストップしていないため当チームのGT—Rはモニター上では2番手だが事実上のトップに躍り出た形となる。
トップを走る銘苅。単独ではライバル勢と変わらない走りを見せるがラップ遅れのマシンに引っかかるとややタイムが落ちてしまう。最高速度で60km/h以上も遅いマシンをかわしていかなければならないのがスーパー耐久。スプリントレースではあり得ないようなシーンがスーパー耐久にはある。
45ラップ過ぎ、FCYが再び提示される。このタイミングで当チームは銘苅からYUKE TANIGUCHIにスイッチする。YUKE TANIGUCHIは2番手でコースに戻り、51ラップのシケインで3番手に落ちるも2分07秒台でのラップを続ける。60ラップ過ぎ、当チームのマシンの右側タイヤ後方から炎が……。フェンダー内から後方に抜けるダクトにタイヤカスが引っかかり、これが発火した。峰尾監督はすぐに消えるのを察知してオフィシャルにオレンジボールの提示を遅らせるように求めるが認められず、62ラップすぎ、ピットストップすることになってしまう。これで5番手にまで後退。
さらに災難は続く。その後は安定した走りを見せていたYUKE TANIGUCHIだが、75ラップ目のデグナーで当チームのGT—Rの右サイドに後方からきたポルシェが……。ピットにまで戻ってくることはできたが、サイドに取り回されているエキゾーストが完全に潰れてしまう大きなダメージを負っていた。結局、この修復に1時間以上も費やすことになる。完全に勝負権はないが銘苅にマシンに慣れさせる。たかだか2ポイントだがこの2ポイントが後々には効いてくることだってある。そのためにもしっかりと走り完走を目指した。
結局、優勝も十分に狙えた開幕戦だったが、まさかの9番手という、あまりにも悔しい結果に終わってしまった。
次回はSUGOラウンド。この悔しさはしっかりと返すべく、東北に乗り込みたい。
ギャラリー
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