SUPER耐久 2018 レースレポート
第5戦 13号車 ツインリンクもてぎ
[予選/9月22日(土)] 13号車 4位
Aドライバー/小河 諒…… 5位 PM 14:00〜 15分間 ドライ
Bドライバー/高橋 翼…… 2位 PM 14:50〜 15分間 ドライ
Cドライバー/花里 祐弥…… 4位 PM 15:45〜 15分間 ドライ
Dドライバー/呉 良亮…… 2位 PM 16:25〜 20分間 ドライ
予選レポート
先輩たちの築き上げた連続表彰台を塗り替えるべく挑んだオートポリスだが、細かなミスもあり、再スタートがきれなかった。1ヶ月半あるインターバルで各部をチェック。課題となっている足回りも、細かな部分まで見直しをして第5戦の舞台となるツインリンクもてぎに乗り込んだ。ウエットコンディションとなった金曜日の練習走行では、好感触の走りを見せていたのだが、ドライコンディションとなった予選では……。
予想通り、圧倒的な速さを見せたのは、もてぎのコースレイアウトがあっていると言われているインテグラ。
A/Bドライバー共に2分11秒台で走り、いとも簡単にポールポジションを奪っていく。「最低でもハチロク勢のトップには立ちたい」と挑んだAドライバーの小河だが、前日の走りができない。ハチロクのトップからも1秒近く遅い6番手。「思ったほど曲がってくれない。翼には車高を変えて曲がるようにしてアタックしてもらう」と悔しい表情で話す小河。
セットを変えてタイムアタックした高橋も「昨日とは違う」……。5番手に沈んでしまう。
ただ、最終的な予選順位はA/Bドライバーの合算タイムで決まるため、4番手とまずまずの位置からスタートできる。
決勝当日にはフリー走行が設けられていないので、C/Dドライバーの予選時に決勝用のセッティングの確認を行なった。ちなみのC/Dドライバーの予選は、どんなに速いラップタイムを叩き出してもポジションが変わるわけではなく、基準タイムさえクリアすればいいセクション。ほとんどのチームは、このセクションで決勝用セッティングの最終確認を行なっている。
[決勝/9月23日(日)] 13号車 2位
PM 12:03 スタート 5時間レース(PM 17:05 チェッカー) ドライコンディション
決勝レポート
ー耐久では、速さだけでなく、チーム力、ときには我慢……。そして、ツキを呼び込まないと表彰台には届かない。速さだけで言えば、当チームのハチロクではインテグラはもちろんのこと、常に上位につけるハチロクにはついて行くのは難しい。今回もチャンスがくるまでは我慢の走りに徹するしかない。
話はちょっとそれてしまうが……。エンドレスを応援してくれているファンの方なら気がついていると思うが、兄貴分の3号車、GT-Rは、開幕戦からツキに見放されていて、今回のレースでも土曜日に追突され、少なからず、暗い雰囲気が流れていた。この流れを大きく変えたのが山内だったといっても過言ではない。予選で最高の走りを見せた山内は、知っての通り、SUPER GTにスバルチームから参戦している。勝ちそうなレースも何度かあったが、まさにツキに見放されたかのように勝てないレースが続いていた。しかし、前週のSUGOラウンドで優勝。そのGTでの勢いをスーパー耐久にも持ってきてくれた。最終的に奇跡のような優勝だった。たまたま、なのか……。違う。13号車にも同じ風が吹いていた。
決勝当日の午前に行われたハチロクのワンメイクレースにCドライバー登録の花里が参戦している。表彰台に上がれてもおかしくないレースをしているのに上がれない。この日は最後まで落ち着いた走りに徹し、表彰台に上がった。「そんなことで……」と思うかもしれないが、結果的に13号車は2位に滑り込んだ。新たな連続表彰台のスタートを切ることになった。
結果を先に伝えてしまったが、2位チェッカーへの道のりはかなり険しかった。
スタートドライバーは小河。オープニングラップは4番手を守るが、3ラップ目には6番手にまでポジションを落とす。トップグループは2分15秒台でのラップなのに対し、当チームのハチロクは16秒台。後方のマシンが迫ってくることはないが、前を走るハチロクにはジワジワと引き離れてしまう。トップを快走するインテグラは、27ラップ目に1回目のピットストップ。当チームは40ラップとギリギリまで引き伸ばして花里にスイッチ。作業時間を最小限に抑えるために、タイヤ交換はせずに送り出す。この作戦が的中、4番手でコースに戻る。ラップタイムは17秒台だが、4番手をキープして予定していた59ラップまで走り切る。
高橋にスイッチ。ここでタイヤ交換。この時点でトップを走るのは86号車。インテグラが2番手、884号車、当チームのハチロクが続く。序盤、トップグループにつけていたマシンがトラブルから脱落するなどで、70ラップすぎに3番手に浮上。高橋も安定した走りでラップを重ねていく。90ラップすぎ、この日、2回目のFCYが掲示される。このタイミングで2番手を走るインテグラがピットストップ。これで当チームは2番手に浮上。102ラップ目、3回目のピットストップ。タイヤ交換はせず、再び、小河がステアリングを握る。この間にインテグラが2番手に上がる。その差は9秒。小河はラップタイムを15秒台にあげて、食らいついて行こうとするが、インテグラもペースアップ。ジワジワと引き離されてしまう。
116ラップ目、チェッカーまで30分に迫ろうかという時、約20秒先を逃げていたインテグラがトラブルからストップ。これを横目に2番手に浮上した小河は100秒以上前を走る86号車を追いかける。普通に考えたら、逆転できる可能性は0.001%かもしれない。でも、何が起こるかわからない。今の当チームに守るものはない。行けるところまで行く。
結局、優勝には届かなかったが2番手でチェカーを受ける。
レース後、ピット裏では「山内はSUPER GTで優勝、その勢いでGT-Rが優勝でしょう。祐弥(花里)もハチロク(ワンメイク)でお立ち台に上がった勢いを持ってきてくれたけど、3位だったからなぁ。ハチロク(ワンメイク)で優勝していたらスーパー耐久の方も勝っていたかもよ(爆笑)」と、冗談が出るほど、チームに笑顔が戻ってきた。
この勢いとエンドレスらしい明るさを最終戦の舞台となる岡山まで持ち込み、2019シーズンに繋げられるレースで締めくくりたい。最終戦も応援よろしくお願いします!
ギャラリー
※画像はクリックすることで拡大できます。