SUPER耐久 2018 レースレポート
第4戦 13号車 オートポリス
[予選/7月14日(土)] 13号車 3位
Aドライバー/小河 諒…… 5位  PM 1:45〜 20分間 ドライ
Bドライバー/高橋 翼…… 2位  PM 2:45〜 20分間 ドライ
Cドライバー/花里祐弥…… 4位  PM 3:45〜 20分間 ドライ
Dドライバー/呉 良亮…… 2位  PM 4:20〜 18分間 ドライ
予選レポート
 記念すべき富士24時間レースでは、アクシデントに巻き込まれノーポイントというまさかの結果に終わってしまい、チャンピオン争いから大きく脱落。さらには18まで伸ばしていた連続表彰台記録も途絶えてしまった。記録は途絶えるもの。一度リセットして第4戦の舞台となる九州オートポリスに乗り込む。

 富士でクラッシュしたマシンは、修復できるような状況ではなかった。ゼロからマシンを作り直すほどの予算もなければ時間もないため、昨シーズンまで走らせていたマシンをベースに作り直した。どこまで戦闘力があるかはわからない。ぶっつけ本番だ。

 ライバルに打ち勝つだけの戦闘力には及ばないが、急ピッチで仕上げたマシンということを考慮すれば、十分に戦えるだけの走りを練習走行で見せてくれた。とにかく、贅沢は言っていられない。多くのスポンサーや仲間が協力してここまでたどり着けたのだから、なんとか結果を残したい。これまで以上にドライバーもメカニックも熱かった。

 標高もある阿蘇山の中腹にオートポリス。下界に比べれば涼しいが、30℃以上あることには変わりない。予想していた通り、第4戦は暑さの戦いとなった。

 午後1時45分過ぎから始まった予選。Aドライバーの小河は、思うようにタイムが伸びない。というよりは、全体的にタイムが伸びていないのだ。マシンから降りてきた小河も「午前中の走行とは違う。フロントのグリップ力もないし……」と悔しがる。クラストップの86号車からは1.2秒遅れの5番手。どうやらタイムが伸びない大きな要因は、予選前に行われていたヴィッツレースだったようだ。簡単に言うと「ヴィッツのタイヤで路面が荒れていた」と言うところだ。実際、Aドライバーの予選でも最後の方に走ったST-Xクラスのマシンはそこまで落ちていなかったからだ。

 路面ができあがったBドライバーの予選では、86号車が2分05秒2という驚異的なタイムを叩き出した。高橋もほぼ完璧に近いアタックだったが2分06秒129。マシンの状況などからすれば、2番手という結果はまずまずだ。でもトップの86号車から1秒近くの遅れは厳しい。 A+Bドライバーの合算タイムで決まる総合結果は3番手。ここから追い上げることになった。

[決勝/7月15日(日)] 13号車 6位
AM 11:39 スタート 5時間レース(PM 4:42チェッカー) ドライコンディション

決勝レポート
 決勝当日も30℃を超える暑い日となったオートポリスラウンドは5時間という長丁場のレース。 とにかく、当チームは周りのチームに影響されることなく、エンドレスらしいじっくりと腰を据えた戦いで挑むしかない。

 午前11時39分過ぎ、セーフティカーが抜け、スタートが切られる。当チームのステアリングを握るのは小河。まずまずのスタートを切った小河は3番手のポジションを守りながらラップを重ねていく。前の2台はかなり速いペースでラップしている。食らいついていきたいところだが、当チームのマシンで食らいつくのは厳しいというのが本音。実際、ラップを重ねていくうちに後方8番手からスタートした29号車が迫ってきていた。

 21ラップ目、3番手の座を奪われてしまう。2分09秒台でラップを重ねる小河だったが、41ラップ過ぎ、他クラスのマシンと接触。なんとかピットまで戻ってくることはできたが、フロント側のロアアームに大きなダメージを追っていた。修復するのに10分以上を費やすことに……。花里にスイッチしてコースに戻るが、トップの86号車からは7ラップ遅れ。クラス最後尾からの追い上げだ。まだ、チェッカーまでは3時間以上もある。さすがに表彰台に上がる確率は0.00001%以下だろうが、可能性が残されている以上、いくしかない。これで諦めるようだったら最初からレースはやらない。これがエンドレス流だ。

 パワーステが効いたり効かなかったり……。まともじゃない。そんなマシンをねじ伏せるように花里はラップを重ねていった。2分11秒台でのラップ。トップグループは09秒台。差は開いていく一方だ。66ラップ過ぎ、2回目のピットストップ。高橋にスイッチする。路面温度も低くなりラップタイムも10秒台、09秒台と上がりだす。上位のチームは自分のポジションを意識した走りというか、ライバルチームとの駆け引きが始まりだしている。対し、当チームはただただひたすら追い上げていくしかない。トラブルで落ちていくマシンもあり、100ラップ目には8番手にまで上がっていた。

 108ラップ過ぎ、ピットストップ。再び、小河がステアリングを握る。

 112ラップ目に7番手に浮上。6番手を走るのは、序盤に3番手のポジションを奪われた29号車。その差は2ラップ。121ラップ目、上位につけていた54号車がトラブルからストップ。これで6番手に浮上。さすがに2ラップ先を走る29号車には届かなかったが6番手でチェッカーを受けることができた。

 今回の大きな敗因は、接触してしまったこと。ただ、これはレースをしている以上、あり得ることだ。前戦の富士24時間のように全損ならばジ・エンドだが、わずかでも走行できる可能性が残されているならメカニックは修復作業に入る。しかし、本来ならサーキットに持ち込んでおかなければならないパーツを持ってこなかった。これを他チームから借りるのに時間がかかってしまった。

 確かに富士の後、マシンを作り直すのに追われていたし、手配したパーツが間に合わなかったのも事実だ。でも、ノーマル車両が当社にはある。ここから外して持ってくることはできた。このパーツがピット裏に停めてあるトレーラーの中にあれば、5〜7分ぐらい修復時間は短縮できたはずだ。あくまでも机上の計算になってしまうが、今回の場合だと、5位でのチェッカーも可能になる。シリーズポイントだと3ポイントアップだ。

 過去を振り返れば、1ポイント差でチャンピオンを逃したチームもいる。いずれにしても、ほんのわずかな注意の積み重ねでチームは、プライベートから二流、さらに一流、トップチームへと駆け上がっていく。

 次回のもてぎラウンドも5時間という長丁場の戦い。今回の悔しさをもてぎでは笑顔で返せるようにもてぎに乗り込みたい。

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