SUPER耐久 2017 レースレポート
最終戦 3号車 岡山国際サーキット
[予選/10月14日(土)] 3号車 3位
Aドライバー/YUKE TANIGUCHI…… 5位 PM 2:40〜ドライ
Bドライバー/山内英輝…………… 4位 PM 3:10〜 ドライ(16分間の赤旗中断あり)
Cドライバー/元嶋佑弥…………… 3位 PM 3:58〜 ドライ
予選レポート
もてぎで幕を開けた17シーズン。16シーズンで苦しめられた1号車に迫るところにまでマシンも煮詰まってきた。実際、開幕から安定した速さで表彰台に上がり、3戦終了時点にはランキングでトップに躍り出ることに成功。この勢いでオートポリスも上位入賞すれば……。これが大きな誤算だった。まさかのノーポイント。これで次の富士ラウンドは攻めるしかなくなった。十分にチャンスはあったのだが、勝利の女神は振り向いてくれなかった。万事休す。
この時点でチャンピオン争いから脱落してしまう。

 でも、当チームにはこの最終戦の岡山でやり残した課題を克服しないといけなかった。
今シーズン一度も手が届いていない優勝。この走りから得られることが18シーズンにつながると信じているからだ。木曜日から岡山に乗り込んだ当チームは、決勝に向けて精力的に走り込み、多くのデータを得た。ただ、天候が……。ドライになればいい戦いが出きるところにまできたのだが、ウェット路面となると厳しかった。当チームと言うよりは、GT—R自体が厳しかった。今シーズンを振り返れば分かるように、フェラーリ、ポルシェ。さらには途中から参戦してきたランボルギーニも速かった。とくにウェットコンディションの中ではクラスが違うマシンのように速かった。
予選が行われた土曜日はドライコンディション。AドライバーのYUKE TANIGUCHIは予想した通り、フェラーリが2番手に付けた1号車のGT—Rよりも1秒以上速いタイムを叩き出す。YUKE TANIGUCHIは最もタイヤのグリップが美味しい3ラップ目にアタック。しかし、1コーナーで他マシンにラインを塞がれてしまう。翌ラップに1分30秒台にまで詰めるが5番手。2番手以下6番手までが1分30秒台と言う肉薄したAドライバーの予選となった。
続くBドライバーの予選で巻き返しを図りたいところだったが、山内がアタックに入っているときに赤旗が振られ、やり直すことになる。このセクションでも速さを見せたのはフェラーリ。コースレコードを塗り替える1分28秒台を叩き出す。2番手にはポルシェが続いた。山内は1分29秒台にまで詰めるが4番手。A/Bドライバーの合算では4番手となる。
しかし、予選後の車検で今シーズン開幕から連続ポールポジションを継続しているフェラーリが使用しているガソリンがレギュレーション違反と判明し、タイム抹消、予選不通過となった。
これで当チームは3番手からのスタートとなった。
[決勝/10月15日(日)] 3号車 2位
PM 1:45 スタート 3時間レース(PM 4:46チェッカー) ウェットコンディション
決勝レポート
決勝当日は予報どおり、夜半過ぎから降り出した雨でウェットコンディション。GT-R勢にとっては厳しい状況となるが、レースはそれ以上に波乱含みの事態となった。
予選タイムが抹消されたフェラーリが嘆願書により最後尾からのスタートを認められることになったのだが、じつはこれが大きな混乱を招くことになってしまった。チャンピオン争いに影響が出ないのであればいいのだが、わずかでもチャンピオン争いにチャンスがあるチームは……。非情だが[予選タイム抹消=予選不通過=決勝未出走]という手段を選ぶ。
当チームは富士ラウンドが終了した時点でチャンピオン争いから脱落してしまったが、連覇を狙う1号車のGT-Rはわずかながらとはいえ、この岡山ラウンドの結果によっては大逆転でのチャンピオンというチャンス(1号車のGT—Rが優勝、フェラーリがノーポイント)が残されているからだ。結果から先に報告すると、競技会の裁定に不服ということからJAFのモータースポーツ審査委員会の裁定を待つこととなった。このため最終戦の正式結果は発表されず、シリーズランキングの最終結果も発表待ちとなった。

決勝レースはウェットコンディションとなったため、午前中に行われたGr.2の決勝同様、セーフティカースタートで最終戦のスタートは始まった。2ラップに渡ってセーフティカーにコントロールされた決勝レースは3ラップ目にスタートが切られた。
予選トップだったフェラーリは最後尾からのスタート。3番手のポジションからスタートを切った山内は、オープニングラップから最大のライバルでもある1号車のGT-Rの背後に付ける。なんとか一矢報いたいのだが、ラップを重ねていくにつれ、ジワジワと離されてしまう。
トップはポルシェ。とにかく速い。瞬く間に2番手以下を引き離す。これも結果から先に報告すると、完璧なポールtoウィンでポルシェがこのクラスでの初優勝を決めた。
40ラップ過ぎ、まず、ピットに滑り込んできたのは1号車。約10秒遅れで山内もピットに滑り込んでくる。2番手ドライバーはYUKE TANIGUCHI。ガス給油して最小限のタイムで送り出す。
通常だと行われる朝のフリー走行はなく、午後1時40分過ぎに始まる決勝レースにいきなり挑まなければならなかった。早い話が細かなセッティングができないまま、前年の峰尾が走ったデータを元にして、決勝レースに挑まなければならなかった。ピットガレージが1コーナーよりにある1号車は、まだスタートしていない。ピットでの逆転かと思われたが、ギリギリのところで1号車がYUKE TANIGUCHIの前に入る。
10秒の遅れは完全になくなり、まさにガチンコバトルが、ここでも繰り広げられた。瞬間的に3秒強まで広げられたラップもあったが、YUKE TANIGUCHIは必死に食い下がり、50ラップ過ぎ、その差は1秒を切る。トップはポルシェ。2番手には99号車のGT-R 、さらに1号車と当チームのYUKE TANIGUCHIが続き、その後方からはランボルギーニが驚異的な速さで迫ってきている。最近にはない熱いバトルが繰り広げられている。
このバトルはピットストップ内でも繰り広げられた。
60ラップ過ぎ、まず1号車がピットに滑り込んでくる。ピットの位置は最終コーナーよりにランボルギーニ、その数台前にあるのが当チーム。さらに1コーナーよりにあるのが1号車のGT-Rのピット。1号車も相当に燃えていたのだろう。ランボルギーニ、さらには当チームのピットに間違えて入ろうとしてしまう。メカニックに接触することはなかったがヒヤッとさせる瞬間だった。
YUKE TANIGUCHIから元嶋にスイッチ。当チームはタイヤ交換してコースに戻る。この間に最後尾から追い上げてきたフェラーリが2番手に上がっている。まだ、2回目のピットストップが残されているが、ラップタイムは速く、終盤に逆転される可能性がないわけではない。3番手に99号車、さらに1号車、そして元嶋と3台のGT-Rが続く。
トップのポルシェは遥か彼方で逃げる65ラップ過ぎ、2番手の99号車と1号車が急接近。熱い3番手争いのバトルが繰り広げられる。タイヤ交換を行っていることもあり、当チームは4番手から約12秒落ちの5番手だ。元嶋はなんとか前を走るGT-Rに迫りたいのだが、後方から驚異的な速さでランボルギーニが迫ってくる。
75ラップ過ぎ、2番手に付けていたフェラーリがピットストップ。これで上位を走るマシンは、ひとつずつポジションを上げる。前方にいる2台のGT-Rは2番手争い。当チームとランボルギーニは4番手争いとなった。76ラップ過ぎ、粘っていた元嶋だったが、1秒以上も速いランボルギーニを抑えられず5番手に後退。
80ラップを過ぎ、チェッカーまで30分を切るあたりから、今シーズン最大のバトルが繰り広げられる。当チームを抜いていったランボルギーニの勢いは衰えるどころかさらに増し、3番手に付けていた1号車のGT-Rをパスして、85ラップ過ぎには2番手を走る99号車のGT-Rの背後にピタッと付ける。93ラップ目、このバトルはあっけなく終わってしまう。99号車のGT-Rとランボルギーニが接触してしまう。
一方、ランボルギーニに抜かれて5番手にポジションを下げている元嶋は、気落ちすることなく影を潜めていた非凡な走りを爆発。同じくランボルギーニに抜かれ4番手にポジションを下げた1号車のGT-Rに急接近。今シーズンの鬱憤を払うかのように1号車を抜き4番手に浮上。前では99号車のGT—Rとランボルギーニの2番手争いが繰り広げられ、2台のラップタイムは若干だが落ちだしている。このチャンスに元嶋は2秒後方にまで接近。その矢先での前2台の接触。元嶋はバトルに加わることなく、弄せずして2番手に浮上。その後、99号車のGT—Rが追い上げてきたが元嶋は振り切り、2番手のポジションでチェッカーを受けることに成功した

最終戦もまた楽なレースではなかったが、YUKE TANIGUCHI/山内英輝/元嶋佑弥がそれぞれの仕事をしっかりとこなし、残されていたいくつかの課題を完全ではないが消化できた。18シーズンにつながるレースになったのも事実だし、なによりもエンドレスらしいチームが一丸でのレースができたのは間違いない。
今シーズンはドライバーを一新。昨シーズンまで引っ張ってきた峰尾が監督としての一歩を踏み出すなど新生エンドレスの元年でもあった。目標としていたタイトル奪回には遠く及ばないランキング4位(暫定)。悔しすぎるノーポイントのレース。最もポイントが稼げる富士の長丁場では下位に終わったこと。反省しなければいけない点も多かった。でも、エンドレスが大事にしているチーム一丸でのレース参戦はできたし、これまで以上に結束力が強まったシーズンだった。
今シーズンも各サーキットに駆けつけて声援を送ってくれたファンの皆様「ありがとうございました」そして、スポンサーの方々、進化途中のエンドレスを今シーズンも最後まで暖かく見守ってもらえたことに感謝致します。
ギャラリー
※画像はクリックすることで拡大できます。
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail
Thumbnail