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■[予選] 3号車 2位
Aドライバー/峰尾恭輔……………2位 PM 2:30〜 15分間 ドライ
Bドライバー/YUKE TANIGUCHI……2位 PM 3:25〜 20分間 ドライ
Cドライバー/飯田 章……………2位 PM 4:20〜 20分間 ドライ
鈴鹿ラウンドが終了した時点で、当チームのランキングは3番手につけている。トップは81号車のGT-Rで14.5ポイント、2番手につける24号車のGT-Rとは1ポイント差だが、最終戦のオートポリスに24号車は姿を見せていない為、当チームは完走した時点でランキング2位に浮上する。チャンピオンになるには当チームが2位以上で24号車がリタイア……。
逆転チャンピオンの可能性はほとんどないが、0.1%の可能性にかけて、当チームはオートポリスに乗り込んだ。
スーパー耐久としては、今シーズンで3回目の開催となるオートポリスだが、今回もまた怪しい雲行きの中で幕を開けた。前日の公開練習ではコースレコードを塗り替えるほどの速さを見せるGT-R。当チームのBMWは、もうひとつタイムが縮まらない。というよりは、GT—Rが速すぎると言った感がある。特にコーナーの立ち上がりからの加速は、同クラスとは思えない瞬発力を見せていた。
これまで通り、峰尾がAドライバーとしてアタックするが、タイムが思ったほど伸びない。「オートポリスに来てからニュー(新品)のセットをテストしてなかったから、空気圧の設定を失敗した」と話す。この時点で最大のライバル81号車の前につけたが相手ドライバーはジェントルマン。2秒近くのリードを持っていなければ、A/Bドライバーの合算タイムで決まる予選結果でトップを獲得できない。それどころか、13年型のBMWを走らす16号車が今回は速さを見せ、トップにつける。耐久とは言え、なんとか最前列はとりたい。Bドライバー登録のTANIGUCHIにとっては、プレッシャーがかかる予選アタックとなった。
しかし、木曜日から走り込んでいるTANIGUCHI だが、ベストは1分53秒台……と、タイムが伸びずにいた。峰尾の走行データからタイヤの内圧を変更。早めにアタックするように指示する。TANIGUCHIもシフトするタイミングなどを変更しながらの2ラップ目に51秒台、さらにクリアになるのを待ってアタックした4ラップ目には50秒台までタイムを縮めるばかりか、当面のライバル13年型BMWの前でチェッカーを受けた。Aドラバーによる予選で0.9秒の遅れを取っていたが、TANIGUCHIは1秒強ほど上回っていた為、2番手に浮上し、目標だった最前列を獲得した。ただ、この時点で81号車がポール賞の1ポイントを獲得、ポイント差は15.5ポイントと広がり、当チームが逆転チャンピオンになるには優勝が最低必要と一段と厳しくなった。
■[決勝] 3号車 3位
PM 1:23スタート 3時間レース(PM 3:26〜3:38 S/C導入)ドライコンディション
この日も安定しない天候だった。厚い雲が覆っていたかと思うと、いきなり明るい日差しが差し込んできたり、雨が落ち込んできたり……。できるなら雨が降りそうなら早めにTANIGUCHIを走らせ、ウェット状況の時に峰尾、もしくは飯田に走らせたい。どこに誰を持っていくか、悩まされた。
結局、今回は乗車時間が制限されているプラチナドライバー登録の飯田をスターティングドライバーに起用して挑むことにした。サポートレースなどもあり、決勝が始まる頃には、路面(明け方まで雨が降っていた)も乾くと思えたが、意外に時間がかかり、ハーフウェット状態までしか回復していなかった。とはいえ、全車、ドライ用タイヤを装着。午後1時20分過ぎ、路面温度18℃、外気温度15℃というコンディションの中、ローリング始まった。
富士ラウンドのときのように、飯田が81号車のGT—Rに大きく引き離される事なく追いかけ、プレッシャーをかけるのが狙い。結果的にこの作戦がズバリ的中。81号車にしてみれば、完走さえすればチャンピオンが決まるだけに無理はしない。スタート直後には2秒以上に広げられた差を飯田は、5ラップ過ぎには背後に忍び寄りテール・トゥ・ノーズに持ち込む。10ラップ過ぎにはトップに躍り出る。この勢いで逃げたいところだが、圧倒的な速さを持つGT-Rを離すまでには至らなかった。
31ラップを走り切ったところで飯田がピットに滑り込んできて、そのまま頭からガレージにマシンを入れてしまった。フロント側サスペンションのトラブル。この時点でチャンピオンの夢が消えるばかりか、確実と言われているランキング2位も遠のく。スーパー耐久の場合、チェカーを受けないと完走扱いにはならない。さらに義務周回数(同クラスのトップが走った周回数の70%)をクリアしていないといけない。必死の修復作業が始まる。ピットではもしものときの為に修復準備はされているが、さすがにダンパー一式の交換は想定外。10分、20分と過ぎていく。50分強の修復時間。チェッカーまでの時間、走れるラップ数などを逆算していくと、かなり攻めていってもきわどいところだった。当初、予定していたTANIGUCHIではなく峰尾がステアリングを握ってコースに戻る。
時間との戦い。峰尾はトップの81号車を上回る1分52〜53秒台のラップでチェッカーを目指す。このペースでいけば、義務周回数もクリアできる可能性もある。ピット内に安堵感が漂い始めたのも束の間。次なる試練が待ち受けていた。
残り1時間を切ったところでST-4クラスのマシン2台がクラッシュ。この回収作業の為、セーフティーカーが10数分、レースをコントロールする。この為、予定より多めの走行となるがTANIGUCHIにスイッチする。通常の「追う/追われる」のレース展開ではなく、いかに時間内にラップ数を刻むかという、ベテランでも滅多には経験しない走りが求められた。TANIGUCHIも1分54〜55秒台でラップを重ねていく。
トップの81号車は92ラップ目に入ったところで3時間が経過する。TANIGUCHIはその10秒ほど前を走っている。結局、トップの正式ラップ数は92ラップ。完走扱いとなる義務周回数はその70%(端数は切り捨て)の64ラップ。66ラップを走りきった当チームのBMWは、ギリギリ3位入賞を果たし、ランキングも2位でシーズンを終える事が出来た。
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