スーパー耐久シリーズ 第2戦 富士24時間レース
6度目の開催を迎えた富士24時間レースでENDLESS勢が躍進!
自社ブレーキ&サスペンションを採用の「ENDLESS GR YARIS」がST-2クラスを制覇
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概要 / Outline

2023年のスーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC富士スーパーテック24時間レース」が5月25日~28日、静岡県の富士スピードウェイを舞台に開催。今年で6度目の開催となる過酷な24時間レースで、ENDLESS勢が素晴らしい走りを披露していた。

なかでも、抜群のポテンシャルを見せたのが、ENDLESSのワークスチーム、ENDLESS SPORTSの13号車「ENDLESS GR YARIS」で、自社製のブレーキシステムとサスペンションを武器にST-2クラスを制した。

残念ながらST-4クラスに参戦したENDLESS SPORTSの3号車「ENDLESS GR86」が5位に終わったが、浅野レーシングサービスの18号車「WedsSport GR86」が3位入賞を果たし、表彰台を獲得した。

さらにST-1クラスではKsフロンティアKTMカーズの2号車「シンティアム アップルKTM」がクラス優勝を獲得するなどENDLESSのサポートチームが猛威を発揮。

またSTOが認めた開発車両を対象にしたST-Qクラスには水素エンジン搭載車やカーボンニュートラル燃料、バイオディーゼル燃料を使用した自動車メーカーの開発モデルが参戦していたのだが、同クラスでも数多くのマシンがENDLESSのブレーキシステムを採用し、長丁場のレースを走破するなど、ENDLESSユーザーが躍進することで、ブレーキアイテムのパフォーマンスを改めて証明した。

富士スーパーテック24時間レースの特徴/About Fuji SUPER TEC24 Hours Race
2008年の十勝24時間レースを最後に開催が見合わせされていた国内24時間レースが2018年に復活。富士スピードウェイを舞台にした「富士スーパーテック24時間レース」として国内では10年ぶり、富士スピードウェイとしては50年ぶりに24時間レースが開催された。

同イベントはスーパー耐久の一戦に組み込まれ、通常ラウンドよりも多くのポイントが配点されることから、数多くのチームがレギュラードライバーのほか、国内外のトップレースで活躍するトップドライバーを起用。マシンに関してもナイトセッションに合わせて補助ランプを採用するほか、長距離レースに備えてブレーキアイテムの強化や冷却システムの向上を図るなどソフト、ハードともに特別な一戦となっている。

2020年の大会からは新型コロナウイルスの影響で観客動員数やパドックへの入場が制限されていたが、開催6年目となる2023年は通常のスタイルが復活し、数多くのファンがコースサイドでキャンプおよびバーベキューを満喫。まさにレースファンにとって富士24時間はスペシャルなイベントで、ル・マン24時間レースやニュルブルクリンク24時間レースのように年に一度の祭典として定着している。

レースレポート/Race Report
国内24時間レースとして2018年に復活を果たした「富士スーパーテック24時間レース」が5月25日~28日、国内屈指のハイスピードコースである富士スピードウェイを舞台に開催。今年で6回目の開催となる同大会には8クラスに計52台が集結した。

なかでも注目を集めたのは「他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両」を対象とするST-Qクラスにほかならない。同クラスには数多くの自動車メーカーが水素エンジン搭載モデルやカーボンニュートラル燃料仕様モデル、バイオディーゼル燃料仕様モデルなど近未来のレーシングカーが集結。しかも、2023年の大会はトヨタ、ニッサン、スバル、マツダに加えて、ホンダが新規参戦を開始したことも最大のトピックスと言えるだろう。もはやST-Qクラスはスーパー耐久および富士24時間レースの“花形”と呼べる存在で、世界中の関心を集めるクラスとなっている。

その富士スーパーテック24時間レースでは、長年にわたってスーパー耐久で活躍してきたENDLESS SPORTSが活躍している。

なかでも、ST-2クラスでは13号車「ENDLESS GRヤリス」が素晴らしい走りを披露。レースは数回にわたってSCおよびFCYが出されたほか、スタートから12時間後には出場車両のクラッシュにより、ガードレールの修理が必要となったことで赤旗により、1時間以上に渡ってレースが中断となるなど、サバイバルな展開となるなか、ENDLESS GRヤリスは激しいシーソーゲームを演じながら常に上位争いを展開していた。その結果、ENDLESS GRヤリスは後続に2ラップ以上の差をつけてST-2クラスでの勝利を獲得した。そのほか、同クラスではHonda R&D Challengeの743号車「Honda R&D Challenge FL5」もENDLESSユーザーで、3位入賞を果たし、表彰台を獲得した。

一方、ENDLESS SPORTSの3号車「ENDLESS GR86」もST-4クラスで上位争いを展開していたが、予想外のハプニングが発生。ナイトセッション中にマシントラブルが発生し、コース上でストップしてしまう。リペアエリアで応急処置を行ったことでなんとかレースへ復帰したが、残念ながらENDLESS GR86は5位でフィニッシュ。それでも、ENDLESSのブレーキパッドを採用した浅野レーシングサービスの18号車「WedsSport GR86」が3位入賞を果たし、ST-4クラスで表彰台を獲得した。

またST-1クラスに目を向けると富士24時間レースからENDLESSのブレーキシステムを採用するKsフロンティアKTMカーズの2号車「シンティアム アップルKTM」が圧倒的なパフォーマンスを披露。予選後のペナルティで5グリッド降格となっていたが、決勝では圧倒的なスピードを見せつけ、後続に37周の差をつけてクラス連覇を果たした。

そのほか、ST-3クラスではOKABEJIDOSHA motorsportの15号車「岡部自動車フェアレディZ34」が3位で表彰台を獲得。

さらに前述のST-Qクラスでも数多くのチームがENDLESSのブレーキシステムを武器に素晴らしい走りを披露。ORC ROOKIE Racingの28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」が2位で完走したほか、MAZDA SPIRIT RACINGの55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio concept」が4位、ORC ROOKIE Racingの32号車「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」が6位で完走を果たしている。

このように2023年の富士スーパーテック24時間レースは過酷さを極めたが、ENDLESS勢は各クラスで抜群のパフォーマンスを披露し、ブレーキアイテムのクオリティを改めて実証した。

ドライバー・監督コメント
●坂 裕之

今回予選トップから、決勝でのペースの難しさ、クルマやタイヤの状況に合わせてのドライビングアジャストの難しさ、決勝中のトラブルなど含めてあらゆる経験ができました。まだまだ長い今シーズン、経験値を高めることができたので、次回のレースに繋げていきたいと思います。

●小河 諒

GR86デビュー戦で様々なトラブルが発生し、ひとつずつ対応できましたが、開幕戦を飾れず残念でした。タイヤの摩耗に合わせたドライビングアジャストができたのは収穫となりました。次回の富士24時間レースに向けて、さらに今年のこのタイヤへの理解度を高めたいです。

●菅波 冬悟

後方からの追い上げとなったが1スティント目に3位以内に入り、その先のスティントで上を狙う作戦だった。ファーストスティントで2位になり、FCYのタイミングをしっかりと読み切って単独1位になることもできた。その後、小河選手、坂選手とつないでくれたが機械的なトラブルが起きてしまった。しっかりと対策して改善して、さらに速さの足りない部分、ドライバーの足りない部分を見直して富士24時間レースを勝ちたいと思います。

●監督 中村 良幸

今回残念ながら電気系のトラブルが出てしまいました。ですが、原因と思われる箇所が見つけられたので、しっかり次戦までに対策できればと思います。また、クルマのセッティング自体もまだまだ詰める余地がありますので、改善を施して行きたいと思います。