SUPER耐久 2018 レースレポート
第3戦 13号車 富士スピードウェイ
[予選/6月1日(金)] 13号車 6位
Aドライバー/小河 諒…… 7位 PM 12:00〜 20分間 ドライ
Bドライバー/高橋 翼…… 5位 PM 12:50〜 20分間 ドライ
Cドライバー/花里祐弥…… 4位 PM 13:40〜 30分間 ドライ
Dドライバー/中山友貴…… 4位 PM 14:20〜 30分間 ドライ
Eドライバー/呉 良亮…… 6位 PM 15:05〜 30分間 ドライ
Fドライバー/小林真一…… 3位 PM 15:05〜 30分間 ドライ
予選レポート
 これまでチームの総合力で表彰台に上がっているが、ランキングトップにつける86号車との差は詰まっていない。どこが劣っているのか、どういうセットにすれば立ち向かえるのか、各ドライバーが休日返上で必死になっている。 今回の24時間レースでは6人までドライバー登録が可能なため、小河 諒/高橋 翼/花里 祐弥/呉 良亮に加え、国内最高峰のスーパーフォミュラ、SUPER GTではGT500(NSX/HSV-010) 、GT300(CR-Z/86MC)のステアリングを握る若手の注目株でもある中山友貴が助っ人として参加。さらにチューナーだけでなくタイムアタックなどで非凡な走りを見せている小林真一も加わり万全の体制で挑む。ちなみに今回の24時間レースでは、A〜D登録のドライバーは昼夜問わず走れるが、E、F登録のドライバーは日中のみで夜間(ナイトセッション)の走行ができないため、これまでDドライバー登録の呉がEドライバーに変更。代わって中山をDドライバーとした。

 13号車は若手ドライバーで組まれているとあって、24時間レースを経験しているドライバーはいない。しかし、中山は十勝24時間の経験があり、小河をはじめとする当チームの若手ドライバーにとっては学ぶべきことも多い。

 予選は決勝で使うタイヤの温存などもあり、大きくポジションをあげることはなかったが、マシンそのものセットは、これまでとは段違いに良く、各ドライバーが手応えを感じていた。
[決勝/6月2日(土)~3日(日)] 13号車 リタイア
スタート 6月2日 PM 15:00.10  チェッカー 6月3日 PM 15:00.37
24時間レース  ドライコンディション

決勝レポート
 今回の24時間レースは、燃費などから1スティント2時間で13回のピットストップを基本にした作戦で挑む。タイヤ交換は磨耗状態やレースの流れで臨機応変に対応。また、今回のレースではピットストップの回数は義務付けられていないが、スタートから20時間までの間に8分間のピットストップ(メンテンスタイム)を2回行わないといけないルールになっている。 状況次第だが1回はブレーキ交換を行い、もう1回はトラブルが出た時のために使う方向で挑むことになった。

 決勝レース、スタートは小河。土曜日の午後3時過ぎ、24時間先のチェッカーを目指してスタートが切られる。6番手からスタートした小河はオープニングラップで8番手にまでポジションを落とすが6ラップ目には7番手、12ラップ目には6番手とスタート時のポジションにまで戻す。スタートから30分が過ぎたところでST-Xクラスのアウディがストップ。S/Cがコースに入る。当然のことながら、各チーム、大きな動きを見せない。小河も淡々とラップを重ねる。23ラップすぎ、5番手に上がる。スタートから約1時間半が経過した44ラップすぎ、4番手に浮上。トップをいく86号車との差は約35秒。もうすぐ2時間が経過というところで86号車がピットストップ。当チームはS/Cにより燃費が良くなり、2時間20分が経過したところでピットストップ。中山にスイッチする。5番手でコースに戻った中山は2分2〜3秒台、ガソリンが減り軽くなりだし、路面状況やレースの流れがつかめたところで1秒台に上げ、3時間が経過したところで4番手、さらに20分後には3番手にポジションを上げていった。

 4時間20分が経過したところで2回目のピットストップ。花里にスイッチする。タイヤ交換せずにコースに戻るが、思っていた以上にペースが上げられないため約1時間の走行でピットに戻ってくる。スイッチした高橋は5番手でコースに戻る。その20分後、FCY導入。最終コーナーを立ち上がったところにいたクラストップの86号車はピットに滑りこむ。これが単なるFCYならそんなに大きなメリットではならないが、FCYからS/Cに切り替わってしまった。

 86号車はここで8分間のピットストップに切り替える。通常の状況で8分間のピットストップをすると3〜4ラップ遅れになるのだが、クラストップにいたマシンは、1ラップに5分近くかかり、なおかつS/Cでコントロールされていたため、ほぼ同一ラップでコースに戻るという奇跡的なことが起きた。当チームの高橋は4番手にポジションを上げているが、15秒後方にいる4番手はなんと86号車だった。これから8分間のピットする当チームにしてみれば、86号からの遅れは8分以上ということになる。

 まだ先は長い、19時間以上もある中、高橋、小河と順調にラップを重ねていく。7時間半が経過した頃には2番手(実質上の3番手)にまでポジションを上げていた。

 10時間が経過しようかというタイミングで5回目のピットストップ。中山にスイッチ、6番手でコースに戻る。スタートから10時間42分が経過使用した時だった。クラス5番手で走っていた中山にST-TCRのマシンが後方から追突、スピンしたところに違うST-TCRのマシンが……。ほとんど正面衝突だ。中山は自力でマシンから出ることはできたが、そのまま医務室に搬送、脳震盪も起こしていることから、しばらく医務室で休むことになる。足首だけでなく手首も打撲、口の中も切っていた。幸い大事には至らなかったがひとつ間違えば……というクラッシュだった。マシンは全損。直せるような状況ではないため、この時点でリタイアするという、最悪の結果に終わってしまった。

 ノーポイントに終わり、ランキングは4位に後退。ランキングトップにつけていた86号車との差は32.5ポイント。残り3戦あるとはいえ、逆転するには厳しい状況だ。また、2014シーズンの最終戦オートポリスから続いていた連続完走記録は21、2015シーズンの第4戦オートポリスから続いていた連続表彰台記録も18でストップしてしまった。

 マシンの現状では修復が厳しく作り直さないといけない状況だが、次戦はオートポリス。上記で紹介したようにオートポリスは記録をスタートさせたサーキットだし、2016シーズン、チャンピオンを決めたのもオートポリス。厳しい状況であることには変わらないがチーム全員が笑顔で九州のファンにエンドレスらしい走りを見せに行きたい。
ギャラリー
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