SUPER耐久 2018 レースレポート
最終戦 13号車 岡山国際サーキット
[予選/11月3日(土)] 13号車 3位
Aドライバー/小河 諒…… 2位  PM 13:15~ 15分間 ドライ 
Bドライバー/高橋 翼…… 3位  PM 13:40~ 15分間 ドライ
Cドライバー/花里 祐弥…… 5位  PM 14:05~ 20分間 ドライ
Dドライバー/呉 良亮…… 5位  PM 14:05~ 020分間 ドライ
予選レポート
 2018シーズン、最終戦でようやく最高のレースができた。 結果を先に報告すると、2年間、勝利から見放されていた13号車だったが、最終戦で優勝を成し遂げた。それも「自分たちの力」で……。本当に最高の勝ち方だった。

 前戦のもてぎラウンドから投入したスプリング。もてぎではリヤにだけセットしたが、今回はフロントにもセット。これがズバリ的中、これまでモヤモヤしていたものが一気に吹き飛び、最高の結果を生む結果となった。

 セッティングを担当した小河は「S耐仕様のハチロクに乗っていて納得できなかったのが、いくらせめてもタイムが出ない。でも、新しいスプリングでは、攻めれば攻めたなりにタイムが出る」と話す。じつは3年前、当チームのハチロクのステアリングを握っていた山内も「ほぼ完璧だったのに、意外にタイムが伸びなかったなぁ」と言うような声が予選後に何度か聞かれた。

 予選結果は3番手。もう少し上を狙っていただけに、不満といえば不満だが、それを吹き飛ばすだけのモノがあった。ポール常連チームの86号車とのタイム差だ。これまで2秒以上(合算タイム)も引き離されることもあったタイム差が今回はわずか1秒強とグッと縮まった。Aドライバーの小河に至っては、0.2秒差にまで詰まっていた。

 最終的な予選結果は3番手だったが、決勝ではマシンの速さだけでなく、チーム力も見せつける最高のレースとなった。
[決勝/11月4日(日)] 13号車 優勝
AM 8:33 スタート 3時間レース(AM 11:34チェッカー) ドライコンディション

決勝レポート
最終戦は2グループに分けられての決勝レース。ハチロクが中心となっているST-4クラスはGr.2。 8時30分過ぎにスタートが切られる。路面温度が低い時間帯からのスタート。どんな展開になるのか……。

ペースカーがコースから離れ、スタート。最高のダッシュを見せたのは58号車インテグラだった。ポールからスタートした86号車を抜きトップに躍り出る。58車号は伸びがあり、なかなか抜き返させない。ただコーナーはそんなに速くないから開くこともない。13号車のステアリングを握る小河は、後方からチャンスを伺う。

当チームにとっては、最高の展開だ。前2台のペースは離されるほど速いわけではないし、だからと言って後方が迫ってくるほど遅いわけでもない。最初のポイントはラップ遅れが出始めた7ラップ過ぎ。約2秒の間にトップ3台が走り、ST-5クラスのマシンをかわしていく。4番手以降との差は約5秒。

10ラップを過ぎると、インテグラのコーナリングスピードが徐々に落ちだし、15ラップ過ぎ、86号車がトップに出る。小河もついて行きたいところだったが、簡単には前に出してくれなかった。トップに躍り出た86号車はペースアップ。いつもの速さで逃げる。インテグラに抑えられてしまっている当チームのハチロクとの差を広げていく。ラップあたりで0.5~0.8秒ほど速い。86号車。このまま広げられてしまうと、いつものパターンになってしまう。

当チームは動くことにした。20ラップ過ぎ、トップの86号車との差が6秒以上に広がったところでピットストップ。高橋にスイッチする。給油、ドライバー交代をほぼ完璧に終わらせた当チーム。8番手でレースに戻る。トップの86号車との差は約55秒。高橋はトップと変わらない1分55秒台でラップを重ねていく。

37ラップ目、86号車がピットストップ。この間に前に出ることはできなかったがその差は5秒を切っていた。ここから高橋が非凡な走りを見せる。49ラップ過ぎ、その差は3秒。52ラップ目にはついに1秒を切る。ここから観客を釘付けにするテール トゥ ノーズのバトルが始まる。58ラップ目の1コーナーで高橋がついにトップに躍り出る。しかし、86号車も引き下がらない。すぐにトップに……。

65ラップ目に再びトップに躍り出た高橋は逃げる。0.5秒しか引き離せないが前には出させない。マシンの性能などはほぼ互角。となれば、勝敗の行方はピットストップだ。タイヤが厳しくなっているのは事実。交換すればラップタイムは上がる。でも10秒以上ロスしてしまう。

どっちが先にピットに入るか。先に入ったチームに合わせればいい。2回目のピットストップはガマン比べだ。75ラップ目、86号車がピットに滑り込んでくる。タイヤ交換はせず。であれば、当チームもやらない。

77ラップ目、高橋がピットストップ。給油して小河にスイッチする。ここでも完璧なピットワークで小河をコースに送り出す。この時点で86号車との差は約8秒。チェッカーまで約40分。逃げ切れるほどのマージンではないが、有利な状況に立ったのは間違いない。

小河は45秒台のラップを重ね、その差を広げていく。残り20分を切ったところでその差は10秒。かなり優勝を引き寄せた感のある94ラップ過ぎ、チェッカーまで約15分。FCYが提示される。スピードを落とすタイミング、加速するときに前に遅いマシンがいないか、状況によっては一気にその差が詰まり、場合によっては大逆転される可能性だってある。

残り11分、グリーンフラッグが振られ、レース再開。その差は5秒にまで詰まっていた。 結局、最後は3秒を切るところにまで86号車が詰め寄ってきたが、2016シーズンの最終戦、オートポリス以来のウレシイ優勝を勝ち取った。ランキングも3番手に浮上することができた。

いくつもの課題は残されているが小河 諒/高橋 翼/花里祐弥/呉 良亮という若い4人のドライバーで勝ち取った優勝だ。
ギャラリー
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